アイコン さが美争奪戦始まる どうするユニファミマ  アスパラント対ニューホライズン

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ニューホライズンキャピタル(ニューホラ)は27日、ユニー・ファミリーマートホールディングス(ユニファミマ)に対し、呉服専門店子会社の「さが美」の買取価格を1株70円で提案したと発表した。
さが美は、下記のように、すでに別のファンド、アスパラントグループ(アスパラ)による1株56円での買取価格で合意しているが、買収価格で上回る「横槍」の登場でユニファミマも検討を迫られる。

ニューホラの提案は、さが美の1株あたり買付価格は70円、しかも、アスパラにはない5億円の第3者割当増資も引き受けるとしている。

<アスパラとの契約>
平成28年8月17日、ユニーグループHDは、子会社のさが美の株式について、AG2号投資事業有限責任組合(アスパラントグループ㈱、代表:中村彰利) が実施する公開買付けに対し、当社が保有する全株式(21,994,126株)を応募する旨の公開買付応募契約及び当社がさが美に対して有する額面金額 34億円の貸付債権のうち16億円を放棄した上で、当該債権放棄後の貸付債権を額面金額18億円で、AG2号投資事業有限責任組合に譲渡する旨の債権譲渡 契約を締結することを決議していた。買付価格は普通株式1株につき金56円。

<両社の差額・差異>
株式購入額は、1,539,580千円(ニューホラ)-1,231,664千円(アスパラ)=307,916千円
と両社で約3億円の開きがあり、ユニファミマがさが美に有する34億円の貸付債権はアスパラの18億円と同額以上でニューホラは引き取るとしている。
その上で、ユニファミマが発行する第3者割り当て増資(実際は発行するかどうか不明)5億円分も引き受けるとしている。
 アスパラは、ユニファミマに対して30億31百万円の総支払額となるが、ニューホラは増資引き受けまで入れると38億39百万円とユニファミマの懐に入る額に約8億円の開きが出る。
しかも、ニューホラの提案は、ユニファミマとアスパラとの契約では、ユニファミマの34億円の貸付債権うち16億円を債権放棄としているが、その額を交渉により圧縮させてもよいというもの。ニホラの提案は至れり尽くせりのようであるが・・・。

ユニファミマが契約どおりアスパラに売却した場合、ニューホラの場合と3億円超の損失が発生し、経営陣が株主からたたかれる材料にもなり、株主から訴訟を起こされる可能性もある。

ただ、契約は生きており、違約金条項がどうなっているか不明だが、アスパラが有利であることには変わりない・・・。ユニファミマとしては、アスパラに対して、買付価格を上げさせることくらいしかできないだろう。

<アスパラントグループ>
アスパラントグループを率いる中村彰利氏は、日米弁護士、リップルウッド、産業再生機構で腕を鳴らした人物。フェニックスリゾート(宮崎シーガイア)、宮崎交通、スカイネットアジア航空、日本コークス工業(旧三井鉱山)、ベルシステム24、日本航空(JAL)、三浦印刷、テラケン、りんかい日産建設、ヒューマニック、FILWEL、駐車場綜合研究所などに投資している。

<ニューホライズンキャピタル>
一方、横槍を入れたニューホライズンキャピタル(前身、フェニックス・キャピタル)は、過去、東急建設、世紀東急工業、ティアック、ゴールドパック、三菱自動車工業にかかわり、現在でもハウステック、万葉軒、まぐまぐ、丸茂工業、iae-HD、たち吉、武田産業、Shade3D、友工商事など開示可能なエクイティー投資先35社、全体で90社に投資している。

こうした争奪戦なのか、価格吊り上げのナイトの出現か不明であるが、本場アメリカではよくあること。アメリカでは経営者ははっきりと株主に雇用されている関係にあり、株主の意向に沿わねば首になることから、こうした案件では常に条件次第となる。
事業戦略的な同業者からの横槍ではないため、和製ファンド同士の争奪戦であり、さらに条件次第となる。
企業再生ファンドは通常、経営を立て直し、付加価値を付け、株価を上げるか、株を全部買い取り、利益体質にしてから、際上場させ、ボロ儲かりをはかる。今回は上場もしており、27日の株価はストップ高の157円とニューホラの買取価格の倍以上まで値上がりしており、3年前後で高利益体質にして株価を上げ売却を図るものと見られる。

 

さが美の主要株主 平成28年2月20日現在
氏名又は名称
株数/千株
割合(%)
ユニーグループ・ホールディングス㈱
21,994
53.9
三菱東京UFJ銀行
1,247
3.1
YOSHINO MASANORI
879
2.2
㈱セディナ
854
2.1
さが美共栄会
690
1.7
三菱UFJニコス
384
0.9
あいおいニッセイ同和損害保険
308
0.8
さが美社員持株会
252
0.6
東京海上日動火災保険
173
0.4
東京貴宝
172
0.4
26,955
66

 

さが美の業績推移
連結/百万円
14/2期
15/2期
16/2期
売上高
22,832
21,620
20,959
営業利益
-387
-470
-101
経常利益
-345
-457
-55
当期利益
-810
-897
-1,050
総資産
13,324
13,436
12,711
自己資本
6,828
6,061
4,554
資本金
9,217
9,217
9,217
有利子負債
1,700
2,600
3,400
自己資本率
51.2%
45.1%
35.8%

 

[ 2016年9月28日 ]
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