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サムスンソウル病院は13日、新規外来や入院を制限、緊急手術を除き手術を中止、部分閉鎖に準ずる措置を発表した。
患者搬送担当者の感染が確認され、感染拡大防止のため、最後に勤務した10日から潜伏期間とされる14日後の24日まで部分閉鎖するという。
陽性判定を受けた救急室担当者が、症状が現れた後も10日間にわたり勤務を継続したことが明らかになった。
保健当局によると、この担当者はスーパー感染者の14人目の患者が応急室に入院した先月27~30日に接触した可能性が大きいという。だが、密接接触者に分類されることはなく、2日~10日まで10日間近くにわたり患者を搬送する業務を通常通りに行っていた。
当 病院では1500人の会合に出席したとされる医師も2日感染が確認されたが、救急診療室の医者であり、スーパー感染者を受け入れた27日にも、別の患者を 見ていてことから、密接接触者から外れていた。当医師の感染時に密接接触者だけにこだわらず、見直しを実行していれば、患者搬送担当者による隔離対象者の 増加は防げていた。

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保健当局と病院ともこうした事実を見逃し密接接触者管理で不備があったことを改めて示している。サムスン病院は、全職員の日々の健康チェックなどもしていなかったようで、やるべきことをやれる状態の度を越しているようだ。
病院側は、この患者搬送担当者が陽性判定を受けた後、密接接触者37人と間接接触者127人に対しても1人部屋への隔離を進めている。また、すでに退院した直接・間接接触者215人に対しては電話により「発熱など異常がないか」を確認し、異常の兆候があれば検査を受けるよう案内しているという。しかし、どれだけの人がこの担当者と接触したのかは未知数とされる。

当病院の感染は、27日スーパー感染者を受け入れた救急治療室に始まり・外来・一般診療科へ感染が広がり、患者や見舞客のほか、医師や医療スタッフの隔離対象者も相当数に上っているものと見られ、部分的には医師不足で治療も困難に陥っている可能性もある。

こうした当病院での感染スパライルを断ち切るためにも、今回の措置は最善の選択であり、それ以外なかったと思われる。

当病院を感染源とする感染者数は、ソウル市長が問題とした5日以降も増加し続け、14日現在71人(累計数)に達し、こうした事態を自ら憂慮したものと見られる。

サムスンソウル病院の今回の措置は、遅きに失したかもしれないが、それほど韓国の医療を担ってきた医療機関であったのかもしれない。
サムスンソウル病院は1994年11月開院、地上20階、地下5階の延建坪6万余坪の知能型ビルにあり、1,951ベッド数と40の診療科、8つの特性化センターと110余りの特殊クリニックから構成され、1,200余名の医師と2,000余名の看護師を含む6,500余名が勤務している第三次医療機関として知られている。

<衝撃、基礎疾患者ではない感染者の死亡>
14日死亡した60代の男性は、サムスンソウル病院で感染者と同じ病室に入院していた親戚を見舞った際に感染。今月6日に感染が確認され、釜山市内の釜山医療院で隔離治療を受けていた。これまでの死亡者のほとんどが入院患者や基礎疾患で転院を繰り返していた人たちだったが、14日の死亡者は感染するまで重篤な基礎疾患者などではなかった。
感染者には健康な見舞い客や妊婦・小学生へも広がり、四次感染となっている。

<大田市も汚染区域か>
今後、問題が浮上すると思われる地域は大田市、14日判明したテチョン病院(大田市)での感染者は、テチョン病院訪問後に、釜山市内の病院と薬局を訪れ約710人と接触したことが分かり、新たに感染が拡大する恐れがある(聨合ニュース)。
大田市のテチョン病院では、当初の感染源である平沢聖母病院(5月29日閉鎖)関係の潜在感染者が当病院に転院、5月22日~30日間接触しており、10日現在で8名の感染者を出している。また、コンヤンデ病院も潜在感染者が応急室にて受診し5月28日~30日滞在、感染者同9人を出している。

これらの感染者に接触した人が6月1日以降、隔離対象者にならず、ノーマークになったまま感染、しかも発症せずノーマークのままに、だが、体力のない基礎疾患者に対して感染させている可能性も出てくる。

<患者の転院の悪習慣が感染を全国に広めている>
何の病名であろうと多くの病者が、自ら転院を繰り返す韓国人独特の習性が、感染確率と感染地域拡大の確率を飛躍的に高めている。
また、見舞客の多さと病院側の見舞い許可時間の長さも指摘されている。お見舞い文化はまったく問題ないのだが、一旦、こうした感染症のコロナウイルスが発生した場合、現在のサムスンソウル病院のように感染が拡がり収拾がつかなくなる。

<当局の取り返しのつかない責任>
 7日、当局によりやっと感染者が関係した病院名が開示され、国民や病院・医師間で情報の共有化が諮られたのが、潜伏期間が14日として6月21日までこうした状況が続くと見られる。(それも隔離情報や病院遍歴の感染者の個人情報をすべての病院や医師が共有化し、確実に利用することが前提)
 だが、今回の患者搬送担当者のような、病院内をあちこち行き来する感染者から、さらに病院外で感染した場合、収拾がつかないものとなる。

 
 
2015年6月14日現在韓国MERS感染状況/人
感染者発生数
7
感染者累計数
145
死亡発生数
1
死亡者累計数
15
感染解除
 
解除者累計数
10
治療中の感染者
 
 
120
隔離者発生数
842
隔離者累計数
4,856
隔離解除者
543
解除者累計数
2,473
 
<14日部分閉鎖を発表する病院長>
マーズ感染