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1、新幹線の工事申請書が中国語だけで書かれ、当局チンプンカンプン。
2、中国受注の最大のポイントであった「短工期」「激安」「政府保証なし」、しかし、地元JV建設業者は政府保証なしでは着工しないと。
3、工期3年、中国では土地が国家所有であることから地方政府が強制立ち退きさせ追い出し、突貫工事で建設しているが、インドネシアは個人所有、土地収用も時間がかかる。
4、中国は受注するため総工費が格安受注、土地収用だけでも相当な額となり、突貫工事ではさらに投資額が大きくなる。 ・・・中国とは違う。
5、新幹線建設を所管するイグナシウス・ヨナン運輸省(少数派のカトリック、元インドネシア鉄道代表)と建設を推進するリニ国営企業相(女、イスラム教、メガワティ派)、建設の進め方に対し、すでに国会で問題となっている。
メガワティ元大統領(女性、闘争民主党、スカルノ元大統領の娘)がジョコ政権に対して院政を敷くための権力争いの一面も浮上している。メガワティは娘プアン・マハラニを閣僚(42歳、最年少閣僚、文化・人間開発担当調整相)に就任させている。
6、手続き不備、地震多発国、地震対策などを取り扱う専門国家機関への事前調査要請なし、地元不安視。

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中国が建設を請け負うことになったインドネシアの高速鉄道は、ジョコ大統領(2014年10月就任)も出席して行われた起工式から21日で1ヶ月が経過したが、必要な手続きが不足しているとして監督官庁からの認可が下りず、建設開始の見通しが立たない事態になっていて、国内で計画の先行きを不安視する声が高まっている。インドネシアの高速鉄道は、首都ジャカルタと、東に約150キロ離れたバンドンを結ぶもので、昨年、日本との激しい受注競争の結果、裏トラCを使い中国が受注した。

インドネシア政府は、中国への発注を決めた理由について、国家の財政負担がないことや、日本よりも2年早い3年という工期の短さを挙げていて、1月21日には、建設に当たる合弁企業(高速鉄道インドネシア・中国 (KCIC)社)のほか、インドネシアのジョコ大統領と中国の王勇国務委員ら両政府の関係者も出席して起工式が開催されている。

しかし、21日で起工式から1ヶ月経過したが、工事を監督するインドネシア運輸省から建設の認可は下りておらず、工事が開始できない事態に陥っている。
この理由について、インドネシアの運輸省は、具体的な建設計画が140キロの区間のうち5キロ分しか提出されていないうえ、資料の一部が中国語から翻訳されていないなど不備があり評価ができないこと、さらに建設予定区間に3つある活断層で起きうる地震への対策が不十分であることなどを挙げている。

運輸省の幹部は「われわれの規則を守ることができなければ、認可を出すことはできない。いつ認可を出せるかは彼らしだいだ」と話し、現状では建設の認可を出せないとしている。

一方、建設に当たる合弁企業は「中国の高速鉄道はこれまでも世界で最も高い安全基準を保っている」と述べ、計画そのものに問題はないとしているが、建設開始の見通しは立っておらず、地元メディアからは「今後の展望には疑問符がつく」などとして、計画の先行きを不安視する声が高まっている。

用地の取得に向けた交渉も進まず
インドネシアでの高速鉄道の建設を巡っては、建設に当たる中国とインドネシアの合弁企業と建設予定地の地権者との間で、用地の取得に向けた交渉も進んでおらず、地元から不安視する声が上がっている。
建設予定地にある西ジャワ州の担当者は、「用地の取得は必ず問題に直面すると思います。農業者に十分な代替地を確保するのは、簡単ではありません」と話している。
また、地元の住民の1人は「補償や代替地の確保が、本当にされるのか不安。住民が参加できる話し合いの場を、もっとつくるべき」としている。

専門家「工期3年はあまりに楽観的」
中国が受注したインドネシアの高速鉄道計画を巡り、起工式が行われたものの建設の認可が下りていないことについて、インドネシアの政治アナリスト、ポール・ローランド氏は、「起工式の前にもっと準備が必要だった。受注してからの進め方が、非常に性急だ」と述べ、計画の準備段階での不備を指摘した。
そのうえで、中国が設定している3年という工期について、計画を進めるうえで、用地取得が難航すると予想されることを挙げ、「今後も解決が難しい問題が生じうる。3年という工期は、あまりに楽観的だ」と述べ、受注の際にポイントなった短工期での完成は、困難だと指摘している。

リベラル派のジョコ大統領は当事業を失敗すれば、現在地方選でも優位に展開している支持母体の闘争民主党への批判が集中することになり、連立内閣でもあることから、急速に内閣崩壊に走ることが懸念されている。
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http://n-seikei.jp/2016/02/post-35203.html

中国は、いつもの常套手段である「工期遅れの問題のすべてはインドネシア側にある」として、工期遅れをインドネシア側に容認させるものと見られる。投資額についても土地収容代などで金を食った責任はインドネシア側にあるとして増額することだろう。南沙諸島埋め立て同様、なし崩し的に事を成し遂げるのは中国政府の超得意芸。
インドネシアは中国のように独裁政権ではないため、前ユドヨノ政権時代から計画された新幹線構想を動かしたばかりに失敗すれば瓦解するおそれもある。インドネシア大統領の任期は5年、選挙で2期まで認められている。ジョコ政権は寄り合い所帯、東南アジア特有の汚職蔓延国家でもあり、これまでのほとんどの大統領は、閣僚・側近もしくは自らが汚職により政権末期はレイムダック状態に陥っている。・・・韓国の大統領も同じだが・・・。