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米ニューヨーク・マンハッタン南部のワールド・トレード・センター近くにある自転車専用道で10月31日、レンタカーのトラックを暴走させて8人を殺害し、十数人を負傷させたIS信望者による車暴走テロ。
トラックは、スクールバスに突っ込み、犯人は模造銃を構えて車から出たところで警察に撃たれ、取り押さえられた。

検察は1日、犯人でウズベキスタン出身のサイフロ・サイポフ容疑者(29)をテロ関連容疑で訴追したと発表した。
検察によると、サイポフ容疑者は、NY州南のニュージャージー州在住で、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に対する物的支援や車両を使った暴力破壊行為などの疑いが持たれている。

調べに対して同容疑者は、ISISのビデオに触発され、1年前から犯行を計画していたと供述。できるだけ大勢の市民を巻き込むつもりでトラックを暴走させ、人出の多いハロウィーンの日を狙ったと話しているという。
ニューヨーク市警は、ISISがソーシャルメディに掲載していた通りの筋書きで同容疑者がテロを実行に移したと見ている。

国土安全保障省によると、サイポフ容疑者は、抽選で永住権が取得できる多様化移民ビザ(グリーンカード)を使って2010年に渡米していた。

これまで米国で捜査の対象になったことはなく、米政府のテロ監視リストにも入っていなかったという。ニューヨーク州のクオモ知事によれば、渡米後にISISの過激思想の影響を受けたと思われる。
配車大手のウーバーは、サイポフ容疑者が半年前からウーバーの運転手をしていたことを確認した。同社の身元審査に通過し、勤務中にトラブルを起こしたこともなかったとしている。
以上、
移民多様化ビザ抽選プログラム(グリーンカード)は、米国議会により発動され、国務省が年間ベースで管理するプログラム。米国への移民の率が低かった国々の人々を対象に抽選による移民(DV移民)の新たなカテゴリー、年間5万件交付されている。

ウーバーの仕事は、元々車のシェアから始まっている。車所有者が空いた時間に、ユーザーが依頼する目的地に、ウーバー契約者が自らの車両で運ぶというもので、タクシーとまったく同じ業態。自由度が高く、今ではほとんどの人が、ウーバーの仕事を本業にしている。

強姦事件の多発などで、ウーバーの運転手の審査は以前より厳しくなっているが、タクシーのような、会社による日常管理はなく、自由気まま。性善説を前提に運営されていようが、人には性悪説の部分もあり、猟奇的な事件さえも起きる。
人によっては、ウーバーで飯は食えるものの、人との接点が限られ、こうしたISを信望し、事件を引き起こす予備軍を作る可能性が高くなる。それ以前に、アメリカはそもそも性善説に基づかない銃社会でもあるのだが・・・。