アイコン 追報:(株)アーム・レポ(福岡)/民事再生申請  天神プレイスの負担続く

Posted:[ 2019年12月12日 ]



既報。分譲マンション開発の(株)アーム・レポ(福岡市中央区赤坂***)は11月28日、申請処理穂大野慶樹弁護士(電話092-714-3450)に一任して、福岡地方裁判所へ民事再生法の適用申請を行い、監督命令を受けた。監督員には、五十川伸弁護士(電話092-724-7600)が選任されている。

負債額は約9億円。

同社は昭和62年11月設立の分譲マンション開発会社。自社企画の「AMEX」マンションシリーズを展開し、平成22年11月期には88億円以上の売上高を計上していた。



日本の福岡の大物右翼が介入した福岡市天神南のフクニチ新聞、破綻後、敷地を紆余曲折して都市再生機構が取得、同社はその地を都市再生機構より50年の定期借地権を取得して、商業・オフィス・ホテルなどの複合施設「天神プレイス」を開業させるなど、同社の一大事業過ぎる事業となっていた。

しかし、リーマンショックにより、金融機関や投資ファンドによる不動産事業への融資や投資が大幅減少、「天神プレイス」の購入予定先であったセキュアドキャピタルが購入をキャンセルし、同社は施工ゼネコンの大成建設への支払いも滞り、結果、大成建設に売却し、多額の売却損を発生させ、財務内容を急悪化させていた。

そのため、本業の分譲マンション開発の用地取得もままならなくなり、事業を不動産仲介業へシフトさせていた。多額の債務超過に金融機関から債務免除を受けるなどしていたが、運転資金が限られジリ貧に陥り、財務内容を改善させ再起を図るため、今回の民事再生申請となった。

なお、民事再生のため事業は継続して行われている。

追、同社代表は人望も厚く、再起を期待し、再度AMEXシリーズを復活させてもらいたいものだ。

 

2009年10月5日の当JC-NET記事

アーム・レポ/福岡のデベロッパーの現況

天神プレイスを「やずや」が購入、福岡にとって久々の不動産市場の朗報である。
アーム・レポは、平成20年3月、南天神の約4,000㎡の敷地に総事業費50億円をかけ完成させた大型複合施設「天神プレイス」を、セキュアドキャピタルが購入キャンセルしたことから同社の苦悩が始まった。それまで新興デベロッパーのリーダーとして業界からの信頼も厚く、また市場にも数々のアメックスシリーズの分譲マンションを提供してきた。

同社が、天神プレイスの開発を手掛けたのは、元フクニチ新聞社跡地を所有する都市再生機構が長きにわたり空き地にしていたため、民間による南天神再地区の開発の一環として同社が取り組んだものであった。
しかし、07年7月に始まったサブプライムローン問題は、福岡の地でも金融機関のデベロッパーへの資金供給面で如実に現れ始め、また中央の投資ファンドの撤退も顕著なものとなっていった。
天神プレイス構想から5年以上も経ち、完成した時には時代が変わったといえばそれまでだが、同社にとってあまり厳しい現実であった。福岡の不動産市場は、昨年9月のリーマンショック後、不動産バブルが完全に崩壊して不動産価格が大暴落、特に福岡市は中央の不動産投資ファンドの投資が極端に多かったため、その影響は甚大なものとなった。

天神プレイスも完成してから1年以上が経過、成り行きが注目されてきたが、やっと地元の通販大手「やずや」が購入。しかし、建設に当たった大成建設が抵当権を46億円設定していたため価格面でも約10億円以上の隔たりがあり、やっと大成建設が大幅譲歩しての決着であった。「やずや」にしても、天神プレイスに対して地元貢献というスタンスで今回の購入に当たっており、投資の限度額はかなり厳しいものであった。大成建設にとってもこれ以上引き伸ばすには自身が経営しない限り現実的ではなく、また好条件での購入者が現れる可能性は皆無であり、今回決着させたのが現実であろう。
アーム・レポにとって最大の難関は越したが、「やずや」は建物の所有はするものの運営はできず、引き続き天神プレイスという複合商業施設を経営しなければならない。若干落ちたとはいえ「やずや」の投資利回りを確保する必要があり、ホテル部門の集客力アップ・賃貸マンション部分の完全入居達成、懸案の商業スペース部分の入居運営などまだ課題は山積している。
福岡の不動産市場も、懸案だった建物が一つづつ片付き始めており、また分譲マンション市場も在庫が確実に減少、また着工件数もここ4ヶ月極端に減少しており、こうした事態が過ぎれば、再度福岡の分譲マンション市場も活気を取り戻すものと見られる。田中社長率いるアーム・レポも本業の次なる展開が期待されるものである。
地元金融機関の福銀と西日本シティの2行は、不動産関係への融資残を大きく伸ばしているが、どこに貸し付けているか不明であり、地元デベロッパーへの供給は火炙りにしており、そろそろ地元デベロッパーへの開発資金供給が、経済回復に向けても必要かと思われる。

以上、

 

 

 

 

 


 

 


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