アイコン 中東緊迫、資材高騰が中小の「防衛的賃上げ」を直撃 2026年春闘、正念場のヤマ場へ

Posted:[ 2026年4月15日 ]

2026年春闘は、雇用の約7割を支える中小建設・製造業の労使交渉が重大な局面を迎えている。先行する大手ゼネコンが高水準の回答を連発する一方、緊迫化する中東情勢を受けた原油・原材料高騰が、経営基盤の脆弱な中小企業の「賃上げ余力」を急速に奪いつつある。

 

■ 迫る「コストプッシュ型」の再燃
 中東情勢の悪化に端を発した石油製品「ナフサ」の供給不安は、建設現場の末端まで影を落としている。樹脂系建材や塗料、接着剤といった石油由来の副資材に加え、ポリ袋などの梱包材に至るまで「再値上げ」の波が押し寄せている。現場レベルでは、2024年問題以降の運賃上昇と燃料費高騰が重なり、資材の調達コストが収益を圧迫。機械や金属関連の現場からは、アルミや塗料の「調達難」による工期への影響を懸念する声も上がり始めている。



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■ 物流・交通部門に広がる逆風
 トラック運送やタクシーなどの組合が加盟する「交通労連」の調査では、三月下旬時点で一〇〇〇人未満の組合における平均賃上げ獲得額が前年を下回った。足元の原油高騰が、本来期待されていた燃料コストの軽減要因を完全に打ち消した格好だ。軽油価格の上昇は、賃上げに回すべき利益を直接的に食いつぶしており、労使双方にとって「防衛」の限界が近づいている。

 

■ 「賃上げ疲れ」と人材確保のジレンマ
 経営環境が悪化するなかでも、現場の深刻な人手不足が「防衛的賃上げ」を強いている。大手との賃金格差が広がれば、若手や熟練工の離職は避けられない。しかし、東京商工リサーチの調査によれば、中小企業のベースアップ(ベア)実施見込みは二〇二四年から二年連続で低下。いわゆる「賃上げ疲れ」が顕著となっており、収益を伴わない賃上げによる経営体力の消耗は、将来的な倒産・廃業リスクを高める懸念さえある。

 連合の第三回回答集計では、中小組合の平均賃上げ率は五・〇〇%と高水準を維持したが、交渉が本格化する零細規模への波及は不透明だ。官民一体となった適切な価格転嫁の徹底と、中東リスクを見据えたエネルギー供給の安定化策が、日本経済の背骨である中小企業の存立を左右する分岐点となっている。

 

 


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