ドイツコメルツ銀行/ギリシャ国債評価損を出した決算発表で一時急落
ギリシャ問題は、今後、欧州経済を左右する独仏の金融機関の懐に影響してくる。ドイツの大手銀行コメルツが、やはり現実に決算が発表されると株価が急落した。一時7.7%下落、その後下落幅は縮小した。
欧州の4大銀行だけでもギリシャ国債の評価損を約80億ユーロ(約8,500億円)擁しており、業績を大きく圧迫している。
1、仏のクレディ・アグリコルは第4四半期▲31億ユーロとなった。
2、英国のRBSは、第4四半期▲18億ポンドの赤字
3、仏・ベルギーのデクシアは、2011年期ギリシャ国債の評価損を34億ユーロ計上して▲116億ユーロの赤字。
4、独コメルツは、2011年期ギリシャ国債につき20億ユーロの評価損を計上、業績を悪化させている。
これらの銀行は欧州大手であるが、他の大手銀行もあり、ギリシャ国債の評価損問題が、マイナスのスパイラル現象を生じさせ、欧州経済の足を大きく引っ張るものとなっている。
欧州委員会も2月23日、2012年の域内GDPをこれまでの0.5%成長から▲0.3%と水面下になると大幅下方修正している。
デクシアに見られるように、ギリシャ国債の評価損以外にも80億ユーロあまりの欠損を出しており、欧州経済の低迷に融資先企業の経営不安が多発していることを物語っている。今期の経済がマイナスとすれば、更に赤字を露呈させる金融機関が続出するおそれがある。負のスパイラルは拡大し続けることになる。
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