アイコン サムスン 液晶ディスプレイ 既に中国勢の淘汰か

[ソウル20日ロイター] 韓国のサムスン電子は20日、赤字の液晶ディスプレイ(LCD)事業をスピンオフ(分離・独立)させ、今後は焦点を有機ELディスプレに移す方針を明らかにした。
LCD事業は、先進国での薄型テレビへの買い替え需要の一巡や、中国企業との競争激化などを背景に今後の見通しは厳しくなっている。
調査会社ディスプレーサーチによると、LCDテレビの世界の年間販売額は2015年までに8%減少し920億ドルとなる見込み。

一方で有機ELディスプレ市場は、2018年までに200億ドルを突破し、ディスプレイ産業全体に占める割合は現在の4%から16%に拡大するとみられている。
2011年のサムスン電子のLCD部門は、7,500億ウォン(6億6600万ドル)の経常赤字を出している。
サムスン電子によると、LCD部門のスピンオフ後の社名(暫定)はサムスン・ディスプレーで、4月1日に事業を開始する。
同社やライバルのLGディスプレは、現在は主に高性能のスマートフォンに使用されている有機ELディスプレーの技術が、テレビスクリーンなどより大きなサイズのパネルでLCDに替わる存在になるとして、事業の軸足をシフトさせている。
サムスン電子は今月、傘下のサムスンSDIとの薄型ディスプレイ製造合弁会社サムスンモバイルディスプレー(SMD)の完全子会社化を検討していることを明らかにした。以上。

<コメント>
  日本の液晶ディスプレイ業界が全滅するなか、1人勝ちしてきた韓国勢のサムスンとLGであるが、既に中国勢に追われ、淘汰される運命にあるようだ。有機ELにしても直ぐ中国勢が追いつき、価格下落を招き、韓国勢が優位に立ったとしても時間の問題である。

サムスンがスマホをヒットさせているように、やはりハードよりソフトが重要ではなかろうか。アップルなんか自社で何一つ製造していない。日立がTV生産事業から撤退するのは懸命の選択。台湾に依頼すれば中国で何でも作ってくれる。中国の製造企業も、電子部品や製品の大量生産分は台湾勢であり、日本のソフトエンジニアが仰山引っこ抜かれており、開発スピードも速い。

当然製造機械は日本を含め先進刻の最先端製造装置で生産されている。中国のメーカーがしっかりしていれば、残る問題は集積回路工場における電力の安定性だけであろう。その電力の安定性こそが集積回路の命であり、一番問題であるが・・・。

GEが過去、日本勢に事業分野を侵食され、180度事業転換したが、歴史は繰り返され、日本の番になっている。GEやIBMがこん日に至る経過を日本メーカーも勉強すべき時であろう。
それにしても、有機ELはソニーがいち早く製品化していたはすだが、スピードをなくしてしまっており、モタモタしている間に市場を韓国勢に完全に奪われたようだ。

[ 2012年2月21日 ]
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