貿易収支 28ヶ月連続赤字 円安でも増えない貿易
みんな日本の少子化と財政赤字を悲観し、将来性のある中国・東南アジア諸国へ工場を移転して しまった結果、円安により輸出額は増加しているが、輸出数量は増えず、今や日系企業からの逆輸入も増加し、貿易収支を悪化させる原因ともなっている。財界 要望の儲かっている輸出企業の法人税をいくら減らしても、工場を海外に作る軍資金にしかならないのは明らか。
財務省が20日発表した貿易収支の速報値では、日本の輸出から輸入を差し引いた貿易収支は、10月は7,100億円の赤字で、28ヶ月連続の赤字となった。
これは、中東向けの自動車や、東南アジア向けの船舶などが増加したことによるもので、輸出額の増加は2ヶ月連続となった。
一方、先月の輸入額は7兆3,985億円で、前年同月を2.7%上回り2ヶ月連続の増加となった。
原油がドルベースで大幅に値下がりしており、円安でも輸入額が価格の値下がりし、10%余り減る一方、新型のスマホ発売で中国からの携帯電話の輸入が大幅に増えたことによる。
この結果、輸出から輸入を差し引いた10月の日本の貿易収支は、▲7,100億円の赤字となり、28ヶ月連続の赤字となった。
財務省は、輸出額が2ヶ月連続の増加となったが、企業が輸出を増やしているかどうかについては、もう少し見極める必要があるとしているという。
中国との貿易収支
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億円
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伸び率
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輸出額
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12,296
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7.2
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2ヶ月連続の増加
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輸入額
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18,164
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9.6
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2ヶ月連続の増加
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差額
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-5,868
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15.1
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32ヶ月連続の赤字
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10月の貿易収支
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輸出
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品目
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伸び率
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寄与度
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自動車
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6.2
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1.0
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船舶
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53.9
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0.9
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鉄鋼
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11.8
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0.6
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輸入
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通信機
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29.6
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1.1
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肉類
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36.9
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0.5
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液化天然ガス
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6.1
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0.5
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(減少品目)
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原粗油
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-10.8
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-1.8
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伸び率
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輸出額(億円)
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66,885
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9.6
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輸出数量指数
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97.9
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4.7
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輸入額(億円)
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76,985
|
2.7
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輸入数量指数
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108.8
|
-2.1
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差引額(億円)
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-7,100
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-35.5
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(注)数量指数は2010年を基準としている。
[ 2014年11月20日 ]
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