アイコン 量的・質的緩和(QQE)の尻をどう拭く日銀黒田丸/早川英男氏警鐘鳴らす

誰も目先の現世を生き、それが来世まで続くと信じ、明日の来世を描こうとしないし、最善の世を残そうともしない。政治は、国民の人気投票であり、あまねく現世主義の最たるものだろう。大盤振る舞いこそ人気の源泉でもあるのだから。
ロイターに次のような記事が掲載されている。

元日銀理事で、日銀の経済分析の責任者を長年務めてきた富士通総研の早川英男エグゼクティブ・フェローは3日、都内で講演し、政府の財政再建計画は信頼性が乏しいと指摘。政府の財政再建を前提に日銀が進める量的・質的緩和(QQE)は、長期金利の急騰や急激な円安を招く「失敗に陥る確率が8割に高まった」と警告した。
(日銀の黒田船長は、大海へ船出したものの向こう側の岸が見えているのだろうか。コロンブスの時代とは違う)

<財政信認なければ円安とインフレのスパイラル>
早川氏は、足元で前年比横ばいにとどまる消費者物価指数の上昇率が「秋口以降は、昨年の原油安の反動もあり急ピッチで上昇する」と見る。目標とする2%には「日銀が主張する2016年度前半の達成は難しいが、半年から1年遅れて近づく」と予測する。

2%の目標に達成した時点で、債券市場が日本の財政の持続可能性を信じていなければ、「日銀が国債買い入れを止める際に金利が急騰する。買い入れを継続しても円安とインフレのスパイラルになる」と警告。
政府が6月30日に決めた「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)」に盛り込まれた財政再建計画は「楽観的前提に基づく経済再生ケースを前提としているうえ、具体的な歳出削減目標も示されず、信頼性に乏しい」と批判。「ギャンブル」と表現した日銀のQQEが「失敗に終わる確率はこの1カ月間で高まった」と指摘した。

日銀が大量の国債買い入れを進めていることから、現実には長期金利の急騰よりも先に円の急落が起こる可能性があると指摘。政府は「日本人資産の海外逃避を防ぐため資本規制に踏み切らざるを得ない」と予言した。

<日銀は早期に金利目標の政策に移行必要>
QQEの効果については、経済学的な評価の定まっていない「実験的な政策」と分析。これまで円安やデフレ脱却、外国人観光客の増加などの成果があったと認める一方、輸出拡大や成長率の引き上げには効果がなかったことは明確だとして、早期に政策の総括と、新たな政策枠組みへの移行を求めた。
特に、現在年間80兆円(残高ベース)の国債買い入れをさらに増額するのは難しく、「ギリシャや中国などの問題で追加緩和が必要な際のカードがなくなっている」と指摘。有事の追加緩和手段を温存するためにも、「長期の低金利継続を事前に示すフォワード・ガイダンスが十分刺激的で、量のみが大事でないとの説明が必要」と強調した。

[ 2015年7月 4日 ]
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