倒産を追う (株)ハートウエルの民事再生について スポンサー
今治タオルの(株)ハートウエルが6日、民事再生を申請して経営破たんし、法律に基づき再生をはかることになった。
株式会社ハートウエル会社概要
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会社名
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株式会社ハートウエル
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所在地
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愛媛県今治市朝倉上乙1050番地1
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代表取締役
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原田 政一
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創業
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1930年(昭和5年)2月
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設立年月
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1951年(昭和26年)2月
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資本金
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3,626万円
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従業員
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80名
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売上高
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10億6千万円(平成27年12月期)
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事業
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各種タオル
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タオル地を生かしたベビー服など
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「セルビエ」ブランド製品
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経歴
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昭和5年2月、創業
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昭和26年2月、法人化
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平成1年 朝倉工場開設
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平成4年、天津華徳温紡織有限公司開設
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平成9年12月期、約42億円の売上高計上
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平成26年8月、天津華徳温紡織有限公司閉鎖
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民事再生法の適用申請:松山地方裁判所松山支部
申請日:平成28年10月6日
申請代理人:上谷佳宏弁護士ほか
弁護士所属事務所:弁護士法人東町法律事務所今治事務所(愛媛県今治市旭町3-2-13、電話番号0898-35-3777)。
負債額:約23億円。
再生スポンサー:(株)YWM(東京都千代田区平河町2-16-2)
破綻原因:
同社は、老舗の今治タオルメーカー、高品質タオルの製造を行い、専門店や百貨店、ギフト店などへ卸販売して成長を遂げ、「朝シャン」タオルなどの大ヒット商品にも恵まれ平成9年12月期には約42億円の売上高を計上した。その間、製造拠点を天津華徳温紡織有限公司にも設けた。
しかし、その後の国内の長期にわたる消費不況や中国製などの安価なタオルの大量流入による競争激化で、同社は売上不振が続き・経営不振に陥った。平成26年8月には中国工場を閉鎖、しかし、閉鎖に伴う特別損失は約20億円と巨額にのぼり、債務超過に陥った。
そのため、営業を強化する一方、スポンサー探しを行っていたが、このたび、(株)YWMが資金支援も含めたスポンサーになることが内定し、今回の民事再生の申請となった。
なお、(株)YWMについての内容は、ネットで調べる限り不明。
同社の再建はまだ10億円以上の売上高があり可能と見られるが、本物指向のインバウンド効果を満喫する必要があるだろう。
バリィさんも同社を心配しているものと見られる。
<今治タオルについて>
四国タオル工業組合は、今治タオルについては、肌触りがよく、吸水性の高いことがセールスポイント、水につけて5秒以内に沈むなど組合が独自の品質基準を設けている。
愛媛県今治市が世界最大のタオル産地といわれている。同市にはタオル製造業者175社が加盟する「四国タオル工業組合」がある。同組合に加盟する事業者の工業出荷額は約630億円。
ねるしかし、現在のタオル生産は安価な中国産などが主流になっており、今治市を含めた国内のタオル産地は苦境に立たされている。そのため、国内業界団体は、国に対して中国などへの繊維セーフガード発動を要請している。
こうした背景から今治市では、高価で高品質な製品の生産に方向転換しつつある。
<経産省支援のブランド育成>
また、今治のタオルメーカーがニューヨークホームテキスタイルショーでグランプリを連続で受賞するなど海外でも注目されたことから、経済産業省の「JAPANブランド育成支援事業」に指定され、今治タオルとしてブランドを確立する取り組みが行われている。ブランディングプロジェクトのディレクションを手がけるのは、キリンやユニクロ、ドコモ、サマンサ・タバサなど大手のブランディングを多く手がけている佐藤可士和氏。
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