アイコン ドゥテルテを天皇陛下に会わせて良いのか 大上段

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6月30日に就任来、警察や自警団が4000人あまりの麻薬犯罪者を、一切裁判も受けさせず、公然と殺害させてきたフィリピンのドゥテルテ大統領。殺害された者の中には麻薬犯罪者でない者も多く含まれようが闇の中である。それでも国民支持率は9割近くも維持している。

一方で、ドウテルテは4日間の滞在中に、米国に「別れを告げる時が来た。軍事的にも経済的にも米国とは決別する」と発言し、「中国だけ」がフィリピンを「助けることができる(だろう)」と言明した。米オバマ大統領をバカ呼ばわりした件もあり、アメリカとは距離を置くことをこれまで何回も明言し続けている。

そうしたドゥテルテが日本を公式訪問する。
政権はそんな基地外のようなドゥテルテをご高齢の天皇陛下に引き合わせるという。政治利用の何ものでもない。日本政権は、米比の中に割って入って仲を取り持つという。米国にとっても願ったりかなったりであるが実現できなかった場合、天皇陛下まで利用して大上段に構えた問題が残る。

政権は、TPPでも盲目的に条約批准を行う。しかし、最大の輸出先である肝心の米国はクリントン米大統領候補もTPPに反対する旨、安倍首相へ直接伝え、先般のTV討論会でも明確にTPP締結については反対の意向を表明している。日本の政権は、一度決めたらどんなに状況が変わろうと・何があろうと実行してしまう官僚主義に徹している。米国抜きのTPPに何のメリットが日本にあるというのだろうか。それも早期に日本が批准して、米国の批准を促すとこれまた大上段に構えている。

 フィリピンに対しても、フィリピンが米国と断絶状態になったとしても、どんなに中国・ロシアににじり寄ろうが、決定したことであり、状況がどんなに変わろうが、艦船(巡視船)や「TC90」機を予定通り、フィリピンに(実質)プレゼントするのだろう。

 米国と実質国交断絶ともなれば、フィリピンは株価や為替が急変し、経済破綻から国民の支持も暴落し、ドウテルテの政治生命もそこまでとは思われようが・・・。その代わりを、南シナ海は一帯一路戦略における一帯の最初の窓口であり、中国が担う可能性もある。
しかし、フィリピンのドウテルテ政権はバブルのように沸き出た政権であり、長期政権を担う可能性はお国柄乏しく、中国もエチオピアのようにどっぷり浸かることはないと見られる。
フィリピンの企業にしても、中国から腐れバナナ事件を起こされた思いがあり、短絡的な深入りはしないものと見られる。
ただ、中国は今回のフィリピンとの和解で、経済支援名目で、フィリピン内部に入り込み、その後もコントロールする動きに出るものと見られる。政界人を巨額賄賂漬けにするのが超得意な中国でもある。
いずれフィリピンの歴史が、どんなになったのか教えてくれよう。

<フィリピンのGDP推移>人口92百万人
フィリピン経済は、1000万人を超える海外にいる労働者からの送金で成立し、拡大傾向にある。英語が共通語であり、国内でもIT産業ややBTO(コールセンターの委託事業等)が活発であるが、政変も多く海外からの製造業の投資は限られている。
宗教は東南アジア諸国とは異なりキリスト教が圧倒している。
アキノ大統領(2010.6~2016.6、ベニグノ・アキノ3世)治世から政治も経済も落ち着き、ほかの東南アジア諸国のように経済的な大きなブレはなく、海外からの送金も拡大し続け、好調を維持している。経常収支も黒字を続けている。
ただ、為替も株価も水物であり、米ハゲタカ軍が仕掛ける攻撃には耐えられないだろう。

 

<対ドル比ペソ為替推移>
対ドル比ペソの為替動向
2015年12月
0.0213
2016年1月
0.0210
2016年2月
0.0211
2016年3月
0.0218
2016年4月
0.0213
2016年5月
0.0214
2016年6月
0.0212
2016年7月
0.0213
2016年8月
0.0214
2016年9月
0.0207
2016年10月
0.0207
10月11日
0.0205
10月21日
0.0207
・毎月の為替は1日現在、終値
・経済好調で小動き、最近下がり目
・ドウテルテ就任は6月30日
 
<半年間のフィリピン株価指数チャート>
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[ 2016年10月22日 ]
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