マリコン出身の同社は当期決算について、シンガポールと香港の工事で問題発生、工事損失計上で大幅減益となった。
同社はシンガポールの手持工事の進捗状況を精査した結果、約160億円の工事損失を計上。大型土木工事において、現地地盤条件の不一致に加え新コロナ感染症の影響等により前期に約60億円の工事損失を計上したが、その後の資材価格等の上昇や施工加速のための費用増加を精査し、さらに今期工事損失引当金繰入額を含む▲約50億円の工事損失を追加計上した。
また、新たに香港の土木及び建築工事、有償及び無償のODA工事において、いずれも資機材価格や燃料費等の高騰に加え、個別工事の施工リスク(技術的課題、資機材調達、下請契約等のリスク)や為替リスクの顕在化により、シンガポールと香港の工事で合わせて工事損失引当金繰入額を含む約▲110億円の工事損失を計上したとしている。
<同社の海外受注額>
18年3月期、3005億円、複数の大型土木工事受注、前期より2003億円増
19年3月期、1,641億円、香港など
20年3月期、815億円、アフリカ大型港湾工事受注
21年3月期、1411億円、シンガポールと香港で複数の建築大型工事受注
22年3月期、480億円、
23年3月期、1364億円、シンガポールで大型病院建築工事、インドネシアで大型港湾工事など受注
海外工事はリスクを伴い日本勢は現地当局や現地企業と喧嘩もせず、すべて自己責任として損害を被っている。
戦後から一貫してこうした弱腰・負け根性が染み付き、しまいには工事遅延の巨額損害金請求や値引きを前提として支払いもなかなかしない。お人よしの日本政府の弱腰をそのまま企業に反映したものでもある。
スリランカの巨額負債問題でも債権を持つ日本が取りまとめる会議を主導しているが、中国はオブザーバー参加程度。米国はじめ国連やIMFの言いなりでは日本の明日はない。
今回、IMFの要請により日本が税金投資でもある債権カットをすればミャンマーに対する巨額債権放棄に続くものとなるが、最大の債権国でスリランカを大負債国にした中国が債権カットしない限り、日本は債権カットする必要性は1%もない。特に東南アジアは政権がコロコロ変わり、1度あることは2度3度何度でもある。
日本は低金利にしたとしても債権カットはせず、国連やIMFと協調した人道支援の範囲内で対応すべきだ。
スクロール→
1893 五洋建設 23年3月期 日本基準 /百万円
|
連結
|
売上高
|
営業利益
|
同利率
|
経常利益
|
株主利益
|
19/3期
|
541,949
|
29,232
|
5.4%
|
26,569
|
18,899
|
20/3期
|
573,842
|
33,161
|
5.8%
|
32,545
|
23,352
|
21/3期
|
471,058
|
30,460
|
6.5%
|
30,545
|
20,993
|
22/3期
|
458,231
|
15,939
|
3.5%
|
15,659
|
10,753
|
23/3期
|
502,206
|
4,119
|
0.8%
|
1,415
|
684
|
前期比
|
9.6%
|
-74.2%
|
|
-91.0%
|
-93.6%
|
24/3予
|
610,000
|
34,000
|
5.6%
|
32,000
|
22,000
|
24予/23実
|
21.5%
|
725.4%
|
|
2161.5%
|
3116.4%
|
2023/3期 セグメント別 売上高と粗利益
|
連結
|
売上高
|
営業利益
|
営業
|
/億円
|
売上高
|
前期比
|
営業利益
|
前期比
|
利益率
|
国内土木
|
1,983
|
12.1%
|
174
|
-0.2%
|
8.8%
|
国内建築
|
1,624
|
5.9%
|
21
|
-43.0%
|
1.3%
|
海外建設
|
1,331
|
10.7%
|
-161
|
赤-60
|
|
その他
|
83
|
9.5%
|
7
|
-10.9%
|
8.4%
|
計
|
5,022
|
7.1%
|
41
|
-74.2%
|
0.8%
|
↓好調な受注状況
同社の専門分野は港湾土木
五洋建設
|
受注状況 2023年3月期 単体
|
/百万円
|
23/3期
|
22/3期
|
前期比
|
土木官庁
|
219,804
|
104,872
|
109.6%
|
土木民間
|
90,758
|
60,609
|
49.7%
|
国内土木計
|
310,562
|
165,481
|
87.7%
|
海外土木
|
30,596
|
47,605
|
-35.7%
|
↑土木計
|
341,158
|
213,086
|
60.1%
|
建築官庁
|
55,881
|
12,129
|
360.7%
|
建築民間
|
165,818
|
147,925
|
12.1%
|
国内建築計
|
221,699
|
160,054
|
38.5%
|
海外建築
|
105,818
|
368
|
28654.9%
|
↑建築計
|
327,517
|
160,422
|
104.2%
|
国内官庁
|
275,685
|
117,001
|
135.6%
|
国内民間
|
256,576
|
208,534
|
23.0%
|
国内計
|
532,261
|
325,535
|
63.5%
|
海外工事
|
136,414
|
47,973
|
184.4%
|
受注総計
|
668,675
|
373,508
|
79.0%
|
不動産開発等
|
426
|
1,406
|
-69.7%
|
|
-
|
-
|
-
|
総受注合計
|
669,101
|
374,914
|
78.5%
|
|
繰越残=受注残 2023年3月末現在 単体
|
/百万円
|
23/3期末
|
22/3期末
|
前期比
|
土木官庁
|
199,164
|
110,386
|
80.4%
|
土木民間
|
130,945
|
94,193
|
39.0%
|
国内土木計
|
330,109
|
204,579
|
61.4%
|
海外土木
|
160,940
|
176,279
|
-8.7%
|
土木計
|
491,049
|
380,858
|
28.9%
|
建築官庁
|
77,257
|
41,621
|
85.6%
|
建築民間
|
240,817
|
214,867
|
12.1%
|
国内建築計
|
318,074
|
256,488
|
24.0%
|
海外建築
|
231,300
|
147,837
|
56.5%
|
建築計
|
549,374
|
404,325
|
35.9%
|
国内官庁工事計
|
276,421
|
152,007
|
81.8%
|
国内民間工事計
|
371,762
|
309,060
|
20.3%
|
国内計
|
648,183
|
461,067
|
40.6%
|
海外工事計
|
392,240
|
324,116
|
21.0%
|
総受注残計
|
1,040,423
|
785,183
|
32.5%
|
不動産開発等
|
-
|
-
|
|
その他
|
-
|
|
-
|
受注残合計
|
1,040,423
|
785,183
|
32.5%
|
↓完成工事補償引当金+工事損失引当金の合計の計上額/億円
16/3.
|
17/3.
|
18/3.
|
19/3.
|
20/3.
|
21/3.
|
22/3.
|
23/3期
|
38
|
36
|
28
|
29
|
39
|
23
|
46
|
120
|
<同社の海外受注額>
18年3月期、3,005億円、前期より2003億円増
19年3月期、1,641億円
20年3月期、815億円、
21年3月期、1,411億円
22年3月期、480億円、
23年3月期、1,364億円
主な海外受注案件 期別
|
23/3期
|
シンガポール政府 エレクティブケアセンター&ナショナルデンタルセンター新築工事(病院)
|
インドネシア政府 パティンバン港開発事業(第一期-フェーズ2)パッケージ6コンテナターミナルNo2建設工事
|
香港恒生大学 香港恒生大学教育施設 新築工事 香港
|
22/3期
|
シンガポール政府 クロスアイランド・ライン(地下鉄) CR117 工事
|
Exeo Global Pte. Ltd. 事務所・倉庫建設工事 シンガポール
|
ジブチ政府 タジュラ湾海上輸送能力強化工事
|
21/3期
|
シンガポール政府 シンガポール・マレーシア国境鉄道施設工事
|
香港大学 香港大学研究実験棟及びIT棟新築工事 香港
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シンガポール政府 入国管理局増改築工事
|
20/3期
|
トアマシナ港湾公社 トアマシナ港拡張事業(パッケージ2) マダガスカル
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香港特別行政区政府 カイタック開発4期土木工事 香港
|
19/3期
|
シンガポール政府 ノースサウスコリドー高速道路N105工事
|
香港特別行政区政府 香港政府データセンター新築工事 香港
|
インドネシア共和国 パティンバン港開発事業(第一期)パッケージ1ターミナル建設工事
|
18/3期
|
住友商事(バングラデシュ電力公社) マタバリ火力発電所 港湾・敷地造成工事 バングラデシュ
|
シンガポール政府 テコン島A・C地区干拓地造成工事
|
シンガポール政府 チュアスターミナル第二期埋立工事
|
17/3期
|
香港特別行政区政府 ヘブンオブホープ病院拡張工事
|
香港特別行政区政府 香港国際空港 第3滑走路建設 地盤改良(DCM)工事
|