今回、種々の説明責任を果たす中で百条委員会が設置された経緯を説明する必要がありましたが、長崎の政治情勢に疎い私には貴殿からご教示いただいた情報を示す以外に方法がなく、逡巡したもののやむなく当時のメモを使用しました。もちろん、貴殿が、私と面会してくださった主眼は私の当時の身の処し方についての個人的忠告であって、そのための状況説明に必要であったからという理由だけで話して下さった長崎の政治情勢について、その情報を使用することは貴殿も不本意であることは想像に難くありません。今回開示したメモは当時の会話の主たる部分ではなく、副次的に説明頂いた政治情勢の部分だけを抜き出したものですが、その理由は以上のように百条委員会の説明を行うためでした。このメモにない割愛した部分が当時の面会の本来の核心部分ではありますが、それは私個人への忠告であり、その部分は私の今回のメモ配布の目的とは全く関係ないところでしたので敢えて記載はしておりません。とはいえ、結果として、今回私が開示した部分だけを第三者が見た場合には、当時の面談の趣旨が正確に伝わらないことも危惧されますので、この点について、第三者の誤解が生じないように私も説明する責任があると感じております。

新聞報道等でご存じかもしれませんが、私は、現在非常に厳しい立場に置かれておりますことと、説明責任を果たすことが求められております関係で、自身の知る真実をなんとか周囲に理解してもらおうと努力しているところです。ともすれば気持ちのゆとりがなく、今回のように貴殿への配慮が欠けた行いを為すことにもなってしまい、もちろん言い訳にはなりませんが、反省すべき事と認識しております。
改めて今、当時の貴殿のアドバイスの的確さを感じており、また、わざわざお会い下さったお気持ちに感謝している次第です。
今回、私の配慮不足から貴殿にご迷惑をお掛けずるような一メモの配布を事前の了解なく行ったことにつきましては誠に申し訳なく思っております。また今後、もしこのことで貴殿にご迷惑が掛かるようなことになれば、誠に遺憾であり、貴殿には心よりお詫び申し上げます。私としては、貴殿にご迷惑をお掛けずる意図などは全くないことだけはご理解いただきたく、勝手ではありますが、お願い申し上げます。
当方としましても、今後、貴殿の善意の行為が誤解されないよう、必要なだけ周囲に説明し、貴殿にご迷惑をお掛けずることがないよう努力するつもりです。
どうぞ、今後とも、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
敬具
平成21年6月10日
久木野　憲司