タマホーム、タマちゃん研究④
接点はアキュラホームシステムである。埼玉県内で住宅システム販売を行っていたアキュラホームのシステムを全国に広めたのがナックであった。
その関係で玉木社長と西山社長は知り合い、玉木社長の進めもあり、ナックとタマホームの合弁事業としてタマホーム九州を02年2月設立。同社はタマホームのFCとなり北九州地区を担当した。ナックは以前から建設コンサルは行っていたが、建設事業は始めてであった。当初は意気投合して仲の良かった両者であるが、ナック側は年毎に売上高は上伸するが、なかなか利益計上できないことに業を煮やし始めていた。東証1部上場の同社はタマホーム九州を当然連結対象としており、タマホーム九州は利益には貢献せず、資産ばかりが増加して自己資本率は悪くなるばかりであった。タマホーム九州はその後タマキューホームに社名を変え、タマホーム持分の資本も西山社長が買い取りナックの100%子会社となった。
北九州を担当したタマキューホームは、売上高を増加させながら北上するタマホーム本体とは別に、南九州地区と四国も担当して売上高を上伸させた。ところが、これ以上の営業エリア拡大もなくなったと判断した西山社長は、06年10月にレオハウスを立ち上げ、08年3月末を持ってタマホームと袂を分かった。
ナックの住宅部門であるタマキューホームの利益が上がらなかったのは、タマホームが使用する広告宣伝費の負担金であったと思われる。タマホームは、最終利益は多くを望まず、利益はすべて広告費用に投下する方針を貫いている。
連結、千円 | 01年3月期 | 02年3月期 | 03年3月期 | 04年3月期 | 05年3月期 |
売上高 | 12,447,892 | 13,060,474 | 13,018,637 | 17,036,154 | 24,674,023 |
経常利益 | 1,426,037 | 1,932,324 | 1,383,533 | 1,198,429 | 1,877,954 |
当期純利益 | 683,597 | 1,021,546 | 747,667 | 338,950 | 958,558 |
純資産額 | 8,471,653 | 7,416,512 | 7,366,867 | 7,118,834 | 7,908,470 |
総資産額 | 12,597,509 | 11,017,506 | 10,459,817 | 11,765,110 | 14,088,493 |
自己資本率(%) | 67.2 | 67.3 | 70.4 | 60.5 | 56.1 |
連結、千円 | 06年3月期 | 07年3月期 | 08年3月期 | 09年3月期 |
売上高 | 33,556,774 | 40,410,761 | 44,035,480 | 46,618,729 |
経常利益 | 2,322,261 | 2,627,283 | 1,548,229 | 1,414,407 |
当期純利益 | 1,271,810 | 1,227,545 | 99,238 | 173,003 |
純資産額 | 9,294,760 | 8,539,440 | 7,901,908 | 7,660,987 |
総資産額 | 15,350,394 | 15,657,483 | 16,358,468 | 18,139,966 |
自己資本率(%) | 60.6 | 54.5 | 48.3 | 42.2 |
ナック子会社のタマキューホーム | |||||
05年期 | 06年期 | 07年期 | 08年期 | 09年期 | |
売上高 | 9,510 | 16,151 | 21,112 | 19,710 | 26,229 |
純利益 | -110 | 343 | 496 | -13 | -976 |
会社別 | タマキューホーム | レオハウス | |||
※09年期は、売上高は店舗増加に伴い増加しているが、レオハウスの資費用などの費用負担により赤字。 | |||||
※09年期は33店舗展開。 |
アキュラシステムとの決別
アキュラホーム本部が消費税を内税表記する時期に住宅価格を新製品投入で上げにかかり、現行価格を維持したい玉木社長及び西山社長は共にアキュラシステムから離反した。02年4月タマホームは、ナックが大賀建設と開発した新システムのグランピアシステムを採用。
※現在のタマホームはナックと袂を分かったため同システムを採用していないと思われる。グランピアシステムをナックは、全国の工務店を対象として営業している。