アイコン 福岡の明太子業界

昨年暮れの博多まるきたの破綻(負債総額120億円、直近売上高199億円、福岡都市圏に工場3ヶ所+)に始まり、本年に入り既に徳永・平塚明太子が破綻している福岡の辛子明太子業界に新たな問題が生じている。

既報の通り、破綻した博多まるきたが、全水加工連の副会長の立場を利用して、不正取引を行い全水加工連に43億円も損害を与えた問題である。
同社は、これまで多くの辛子明太子業者に明太子(たらこ)を卸しており、辛子明太子の製造会社的な要素も強い。その会社が07年から08年の2年間に全水加工連から内規違反で仕入れた43億円の支払いを滞留させ破綻した事態は、明太子業界が危機に瀕している証でもある(循環取引や横流取引も噂されているが・・・・)。
同社の破綻原因とされる設備投資、中国産というだけで日本国内では不買の動きが生じ、翻弄された同社の中国工場に足元を掬われたとされているが、それだけではない。副会長の立場を利用して全水加工連を金のなる木にしてしまった経営者の体質そのものが破綻原因である。


博多まるきたが、支払わずして調達した「たらこ」を販売して儲かれば、返済財源もできようが、それ以上に同社の経営は行き詰っていたことになる。しかしそうした43億円分(+加工分)の明太子が博多まるきたにより製造販社等にも消えている。ところが、仕入れ原料の明太子代43億円分が、どこに消えたかさっぱり。銀行が殆どを返済させたなら、借入金状況推移を見れば直ぐ判明する。どこに消えたのか不明のままである。
このままでは、博多まるきたが刑事事件に巻き込まれ、自己破産するしかなくなることも憂慮される。そのためには博多まるきたは、現経営者は速やかに退陣し、新たなるスポンサーにより経営されることが再建の最善の方策かと思われる。
同社の販売先には、「ふくや」「イオン」「マルショク」「大都魚類」「大東魚類」などが上がっていた。
明太子業界が潤ってから早35年ほど経つ、その間業者も増え市場も拡大してきた。しかし、最近ではスパゲティ・マヨネーズなどの食品コラボで市場は拡大したものの、飽和状態に陥り、特に福岡の市場占有率は他県の台頭もあり減少し続け、70%を割り込んでいるとされる。


折からの消費不況、土産品としては高価格帯にあり明太子の販売自体が窮地に陥っているともいわれている。辛子明太子会社も今では東北や北海道に拡がり、業者数も多くなっている。肝心の明太子の国内産は漁獲量が少なく高級品、輸入物もスケトウダラの身に商品価値が少ないことから、値が低くなれば積極的には漁獲せず、大きく値下がりすることがない。反面消費は、一般家庭では一部破損したりした2・3級品がスーパーなどで普及、業界全体の利益を圧迫しているともいわれている。
こうして辛子明太子業界は、一般家庭では廉価品、頼みの外食産業は不況の影響を大きく受け沈没、王道の土産品は当然価格帯も高く、今回の消費不況の影響を大きく受けているとされている。


販売方法も過去、ロードサイド店を作って拡販に務め会社もあれば、最近ではネットを利用した通販で稼ぐ会社も多い、その代表格が最老舗の「ふくや」であるとは、先んじる経営感覚を常に持ち合わせている川原一族と評価されるところである。ところが「ふくや」は・・・・・・・

 辛子めんたいこ公正取引協議会の製造会社会員数は121社、辛子が付くだけに福岡市都市圏・北九州市など福岡県の業者が殆どである。

まるきた本社

博多まるきたの会社全景(HPより)

 

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[ 2009年8月20日 ]
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