東洋建設、前田を尻目に業績回復
過去、人減らし・倒産説などネガティブ情報が多々流れ飛んだ東洋建設であるが、前期は9期ぶりに復配に漕ぎ着け業績回復を鮮明にしている。
九州では「新幹線工事も終わり、仕事がなかばい」とぼやいていたけれど、東南アジアでは、フィリピン国公共事業道路省が発注するパシグ・マリキナ河川改修事業(71億円)の着工など明るい話題が多くなってきている。
同社はこれまで、公共投資の減少でマリコンの宿命ともいえる丘に上がったものの、丘は仕事はあるものの海より熾烈な戦いの場であり、逆に整理淘汰される側にまわってしまった。平成15年10月前田建設工業に30億円の増資を引き受けてもらい危機を脱したが、当時の九州支店は可哀想なほど暗い話ばかりであった。
同社は減る一方の売上高に対し損益分岐まで大胆に削減と改善を続け、やっと底に辿り着き、復配まで漕ぎ着けた。
東南アジアへの進出では、マニラに1973年進出するなど実績を持っての今回の受注である。近年ではベトナムや台湾にも事業所を設け、世界のODA予算が集中する東南アジア各国での港湾・河川等インフラ整備事業の受注強化を目指している。
なお、今2010年3月期連結決算予想は、売上高1,450億円(前期比6.9%減)、営業利益32億円(同4.1%増)、経常利益22億円(同27.8%増)、当期利益9億円(同62.4%増)と減収ながら大幅増益を予想している。
過去9年間の各数値推移
連結/百万円 | 01/3 | 02/3 | 03/3 | 04/3 | 05/3 |
売上高 | 270,181 | 231,872 | 212,861 | 161,285 | 136,970 |
経常利益 | 2,232 | 3,462 | 3,314 | 2,341 | 4,486 |
当期純損益 | △14,451 | 35 | △11,497 | △9,593 | 2,080 |
純資産額 | 20,512 | 19,955 | 8,908 | 6,118 | 8,022 |
総資産額 | 322,909 | 288,795 | 221,493 | 140,908 | 144,029 |
自己資本率 | 6.4 | 6.9 | 4.0 | 4.3 | 5.6 |
従業員数 | 2,919 | 2,880 | 2,463 | 2,240 | 2,192 |
連結 /百万円 | 06/3 | 07/3 | 08/3 | 09/3 |
売上高 | 162,863 | 142,407 | 161,200 | 155,729 |
経常利益 | 4,470 | 1,293 | 936 | 1,793 |
当期純損益 | 6,037 | 333 | 255 | 554 |
純資産額 | 19,504 | 19,862 | 19,954 | 20,185 |
総資産額 | 128,397 | 136,403 | 127,503 | 115,705 |
自己資本率 | 15.2 | 14.1 | 15.1 | 16.0 |
従業員数 | 1,972 | 1,940 | 1,873 | 1,709 |