アイコン 大和ハウス買収 コスモスイニシア ①

大和ハウスは、コスモスイニシア(以下、コスモス)のADRが奏功し、美味しくなったところでコスモスを買収する計画のようだ。

コスモスが進めている事業再生ADRの内容は、現在金融機関は返済の猶予をしている状態であるが、コスモス側は債務免除と債務の株式化(DES)を要請、650億円を減らす内容であり、金融機関と交渉中。
一方でコスモスは、大和ハウスとコスモスの子会社であったコスモスライフを再買収して全株式を大和ハウスに譲渡、更に大和ハウスはコスモスの増資を引き受け、マンションの共同開発を進めるという次の計画を発表した。当然金融機関の合意を取り付けるためである。


問題は、
① 銀行が債務免除してくれるか
② 銀行が貸付金を株式に転換(DES)してくれるか
③ ユニゾンが同社株式を放棄するのか
④ ユニゾンはコスモスライフの株を譲渡してくれるのか
⑤ コスモスライフがコスモスに対して持つ債権をユニゾンは放棄してくれるか
⑥ 大和ハウスとはコスモスライフの買収では合意に達しているようだが、コスモスイニシアの増資を引き受けるのか

上記すべてが計画である。

コスモスは、計画が旨くいくよう9月17日から1ヶ月間、希望退職者を募る。現在739名の社員の半分360名を募るとしている。退職に伴う特損25億円、経費節減効果35億円としている。
なお、平成21年8月28日(本日)第2回債権者会議を開催、続行会議を9月28日予定して、第3回債権者会議において金融機関との合意成立を目指すとしている。金融機関は美味しくない会議であるが・・・・。

コスモスイニシアのブランドは、リクルートコスモス時代とは異なり、今回の実質行き詰まりで完全に朽ちており、大和ハウスにメリットがあるのか疑うものである。大和ハウスも分譲マンションの自社ブランドを持ち、全国各地に開発、現在も開発・分譲中である。
大和ハウスは、コスモスイニシアの有利子負債が極限まで減り、美味しくなったところで第3者割当増資を引き受け、美味しいコスモスライフも手に入れ、両方実質子会社にする構想と思われる。大阪の狸である。
そこで気になるのが、大和ハウスと積水ハウスのデッドヒート、大和は住宅事業もマンション開発事業も積水に一歩越された感は歪められない。そこで首都圏に強いコスモス、大阪をはじめとする田舎の市場とは較べものにならず、資金力を持つ大和ハウスが食指を伸ばしたのであろう。
大阪の現金主義は身を綺麗にしたら買いましょう、それまではコスモスさん銀行さんに対して頑張ってくださいということだ。
こうしたコスモス側の発表に対して、大和ハウス側はコスモスライフの子会社化の社内決議のみ発表、コスモスイニシア本体については音なしの構えである(8/30現在)。
8月28日45円から64円まで飛んだ株価がどこまで上がるかも見ものである。

続く
 

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[ 2009年8月31日 ]
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