アイコン コスモスイニシアADR成立/亀井大臣のおかげか

9月28日コスモスイニシアはADRが成立したことを発表した。コスモスイニシアは事業再生ADRを申請して金融機関との調整に入っていたが、亀井金融大臣からの援護射撃で、極端な返済も金利も棚上げという平成の徳政令発言も飛び出し、下手には動けない金融機関は挙ってコスモスイニシア側の要請に応えてADRが成立した。そのため期間損益も膨大な債務免除益が発生して、当初▲880億円の赤字から一転して254億円の黒字決算になることも発表した。

2010年3月期通期予想修正
 
 
 
連結/ 百万円
売上高
営業利益
経常利益
当期利益
前回発表
191,616
-18,207
-22,402
-88,088
9月28日発表
174,000
-5,900
-9,100
25,400

ADR合意の骨子は
「債務免除は13行370億円」、「借入金の株式化(DES)13行305億円」、返済猶予38行1,008億円となっている。またコスモスライフの取得と売却益で77億円の特別利益を計上する。
正に亀井大臣の影の力と大和ハウスを掲げたコスモスイニシア側の大勝利となった。
しかし、まだ借入金は1,008億円あることだけは間違いない。
今回の事業再生計画では大和ハウス工業の記載が一切出ていないことが気がかりであり、前回発表の大和ハウス工業に対する優先株式10億円発行などでは同社の信用不安を一掃するまでには全く至らない。
また、今後建築を請け負うゼネコンが付くかどうかも判断が分かれるところであろう。
この場合自ずと同類の長谷工チャンと行動を共にするケースが増えるものと思われる。
開発資金はどうしても金融機関からの調達が必要であり、そうした開発資金の資金調達に債務免除した銀行が対応するのかどうか不明な点が多い。これまでの前例からして、大和ハウス工業等の大物が本格的なスポンサーにならない限り難しいと見られるが・・・。

今回直接犠牲になった金融機関 ⇒みずほ・三井住友・三菱UFJリース・住友信託・中央三井・あおぞら・横浜・関西アーバン銀行等13行。
 

[ 2009年9月29日 ]
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