ダヴィンチ保有物件ローンデフォルト
ダヴィンチHのファンド「カドベ」の物件である「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」を担保とするローンがデフォルトする見込み。ダヴィンチは返済期限の延長に向けてノンリコースローンの債権者と交渉を続けるものの、9月25日の期限までに合意を得ることは困難な見込みと発表した。
同ビルはJR東京駅に隣接するオフィス・ホテル・店舗の複合ビル。地上32階地下4階建て、延べ床面積約8万m2で2001年に竣工。ダヴィンチは2006年9月、同ビルのオフィス部分24フロアの信託受益権を、約2,000億円で香港のパシフィックセンチュリーグループから取得。専有床面積は3万9,102㎡(511万円/㎡)。
このローンがデフォルトした場合、ダヴィンチは2009年12月期第3四半期の連結決算で137億円の棚卸資産評価損を計上する。このローンとは別に、同社自身がBNPパリバグループから借りた220億円について、期限延長に向けた協議を進めている。同ローンの最終弁済期限は2010年3月となっている。ここまで耐えたダヴィンチであるが、 ・・・・ 迫っている。
★不動産という商品に対する錬金術師の成せる技か?
連結/百万円 | 06/12期 | 07/12期 | 08/12期 | 09/6月中間 | 09/12期予 |
売上高 | 136,021 | 276,991 | 52,769 | 25,651 | 180,276 |
営業利益 | 44,043 | 107,705 | -11,948 | -17,062 | 19,274 |
経常利益 | 30,501 | 83,303 | -34,607 | -30,383 | 1,031 |
当期利益 | 9,124 | 11,848 | -17,929 | -4,141 | 315 |
総資産 | 878,333 | 874,403 | 1,128,720 | ||
自己資本 | 20,938 | 33,254 | 15,133 | ||
資本金 | 2,385 | 2,385 | 2,385 | ||
有利子負債 | 671,325 | 634,530 | 842,417 | ||
自己資本率 | 2.40% | 3.80% | 1.30% | ||
※なお、今期予想は、8月7日発表分 |
新生信託銀行 | 1,667億60百万円 |
農中信託銀行 | 1,120億39百万円 |
新生銀行 | 1,004億08百万円 |
その他 | |
合 計 | 7,191億48百万円 |
ダヴィンチの公式コメント(8/11、原文)
1.当該子会社の名称等
商 号 合同会社ボンダイ
所 在 地 東京都中央区銀座六丁目2番1号
2.内容及び経緯
当該子会社は、株式会社ダヴィンチ・アドバイザーズが助言するオポチュニティ・ファンドである「ダヴィンチ・ジャパン・リアルエステート4号匿名組合」(営業者:有限会社カドベ 東京都中央区銀座六丁目2番1号)から出資を受けて、大型オフィスビル「パシフィックセンチュリープレイス丸の内」を保有する特別目的会社です。不動産市況の低迷により本物件を適正価格で売却することが困難となっていたため、債権者との間でローンの期限延長に向けた協議を行ってまいりましたが、9月25日のローン期日までに合意を得ることが困難な見込みとなりました。ダヴィンチ・アドバイザーズでは引き続き債権者との協議を進めてまいりますが、ローン期日までに合意が得られない場合、ローン契約に基づき、それ以降の本物件の処理は債権者によって進められることになります。なお、本ローンは、返済原資が融資対象物件に限定されているノンリコース・ローン(非遡及型融資)であります。
3.今後の見通し
ローン期日までに上記の協議が合意に至らなかった場合、棚卸資産評価損を、平成21年12月期の第3四半期連結決算において売上原価として約137億円(純損益に対する影響額は23億円の損失)計上する見込みです。なお、今後の業績に与える影響につきましては、現在精査中であり、業績予想の修正が必要な場合は速やかに公表いたします。
以上