アイコン タマホーム修正

タマホーム前回、タマホームについて、協力業者に値引き協力要請の件や支払方法変更など掲載しましたが、支払方法の記事にミスがありましたので訂正します。

タマホームは、これまで手形を振り出していなかったように記載しましたが、実は手形を振り出していました。子会社のファイナンス会社で、発行と同時に割引、支払先には現金で支払っていたので把握できなかったものです。
そうなると、場合によっては前回の内容と全く異なる見解を申し上げることになります。
タマホームの子会社が、これまで金融機関に協力業者から買い取ったタマホームの手形を担保に資金調達して、その資金で協力業者へ支払っていたのではという可能性があるからです。その場合、次に記載する穴吹工務店の例に似てきます。
タマホームが、手持ち資金を子会社に貸し付けて、その資金で子会社が割り引いていたのならば、前回記載したとおり資金繰りは楽になるのですが・・・。

 穴吹工務店の例を申し上げましょう。
穴吹工務店の場合は、自社の子会社で割り引くのではなく、上場企業のフィデックと穴吹工務店が提携して、フィデックが、穴吹が発行する手形を、穴吹の協力業者から1.5%前後の低金利で買い取り、現金(送金)を支払っていました。そうすることで、協力業者には現金払いと同等の支払いなっていました。
これを実行するには、穴吹工務店とフィデックが取り扱いの契約を交わし、協力業者とフィデックが契約して実行されます。
ところが、フィデック(東証一部8423、債権買取業)が08年10月、突如穴吹工務店の手形割引を取りやめました。
それまで、穴吹工務店の手形をリファイナンス(再資金化・再割=銀行)するためフィデックは、その手形債権を金融機関に担保として持ち込み、借入して資金調達していました。しかし、金融機関が穴吹工務店の手形の担保価値を見直し、リフィナンスできなくなったのです。そのためフィデックは穴吹工務店の手形の買取を止め、それ以降穴吹工務店から協力業者に対して手形が支払われるようになりました。 
要するに、その時穴吹工務店は金融機関の信用をなくしてしまったのです。

タマホームの場合、子会社と協力業者は契約を交わしていると思います。支払日ごとに現金分と手形分が一緒に送金されてきていますが、手形分は年利1.5%差し引かれて入金していたはずです。手形は取引銀行で割引すれば問題ないでしょうが、金融機関が割引を渋ったり、限度額を設けたりしたら取引銀行が、慎重になっている証ですが、それは今後明らかになってきます。

タマホーム

<タマホームと穴吹工務店の違い> 

タマホームと穴吹工務店の違いは、タマホームは注文住宅であるのに対して、穴吹工務店は分譲住宅(マンション)です。穴吹工務店は分譲マンションを全国に山のように造り、不況で完成在庫が山のように発生しました。また開発用の土地も全国で買い込んでいましたので金融機関からの借入も膨らむばかりでした。マンション建築の協力業者に支払う資金や手形の決済資金が窮する事態に陥り破綻しました。しかしタマホームは、注文を受けてから建築開始しますので大きな違いです。
今タマホームが苦しいのは、パワービルダーの一建設や積水・大和ハウスのように分譲屋になろうとして各地に死に呈の分譲地を購入したことです。その購入土地が売れず、資金が固定化したことにあります(建築条件付土地販売は、売上高が一挙に大きくなりますが、どこも土地代では殆ど儲けていません。売上高のマジックです。タマホームは売上高が欲しかったのでしょう)。それに分譲マンション屋を買収したり、投資用不動産を購入したりと資金が固定化することばかりでした。不動産ミニバブルも崩壊し、その資金固定化が極度に高まったため苦しいのです。この件は現在見直しが進められていますが、暫く時間がかかるでしょう。
以上のこともありますが、一番問題なのは、不況に強いはずのタマホームが、不況の影響を受けてしまったことです。それに比し一建設などパワービルダーは影響を受けていません。前期少し受けても今期は既に立ち直っています。
タマホームは全国に展開しています。それに比し一建設は、大都市の都心近郊で動き回っています。営業方法が異なるため比較にはなりませんが、何かヒントがあるような気がします。
タマホームの店舗は利益を生む大事な店舗ですが、度を超す不採算店の閉鎖は当然です。その判断も遅すぎます。頭が変わったところでトントンならば、その人材をもっと大きなマーケットに投入すべきでしょう。各店舗は住宅展示場を兼ねているため、結構ランニングコストもかかっています。

グラフ

小生は「タマホームが本業外のことをしたら失敗する」とセンチュリーホームが福岡に進出したときからみています。玉木社長の性格を反映したものです。また田舎者の会社が急に大きくなっていく過程で、変な人たちが取り巻きに入ってきます。いろいろなことを持ちかけ、そういう情報により、玉木社長は本業外にバブル化していったと思います。その結果、いろいろな不動産を買い込み、分譲マンションまで手を出す始末。本業とは住宅産業ではありません。あくまで注文住宅です。
また急成長の落とし穴には人材にあります。タマホームがどうかは知りませんが、結構提灯持ちもいるようです。三菱系のキャピタル会社が人材も送り込んでいるようで、今では管理部門についての心配は薄れてきたと思います。
後は営業と工務の現業部門のスタッフでしょう。玉木社長が「不況はわが社にフォローの風です」ときっぱり話した通りです。しかし現実は不況の影響を受けています。急成長してきた反動の踊り場と捉えた方がよいでしょう。ローコストの注文住宅は、それに徹していれば1万棟以上売るタマホームは絶対儲かります。

玉木社長は今度夢見るビバリーヒルズに行かれるようです。
 

[ 2010年1月27日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
この記事を見た人は以下も見ています(タマホーム、)
スポンサードリンク
スポンサードリンク