アイコン タマホーム今期回復なるか 2010.10

前期の減収の要因は、不動産ミニバブルに乗じて自らバブル化した玉木社長のバブル体質にあったようだ。しかし、玉木社長も元々大きい顔は別にして、だいぶ痩せられ、スマートになられており、今期は収益が回復してくると見られる。
社長同様、会社の体質も肥大化したが今日ではそれなりにスリム化されており、こうした体質改善が確固たるものであれば、再度(緩やかながら)上昇軌道に乗るものと確信される。

同社が快進撃を続けてこれた要因は、
① タマホームにははっきりしたコンセプトがある・
② 玉木社長の壮大な計画と実行力がある。
(目指すは1兆円。売上高が上がり利益が出れば金融機関は付いてくる)
③ 社会の経済背景が、緩やかな上昇局面にあった
④ 利益の大半を広告宣伝費に注ぎ込み、知名度アップ=受注力アップをはかった。
以上のことにより、09年5月期までは快進撃を遂げた。

その後、
① 会社創立の「アメリカ並みに、皆さん方に品質の良い住宅をより安く提供する」と
いう最大のコンセプト は生きているが、全国各地のハウスビルダーが低価格住宅に参入してきたことから、同社が福岡で活躍していた時と較べ、全国へ展開した時では住宅建築業界にも対抗馬がいろいろ現れ競合時代に突入、差別化が旨くいかなかった。
② 経営者の錯覚:玉木社長は、景気悪化を喜んでいたふしがある。景気が悪化すれば、
同社が対象とする顧客層の幅が大きくなり、売上高は逆に上昇すると見ていた。しかし、現実は違った。同社が福岡で快進撃していた頃(平成14年頃)も確かに不況であったが、当時と較べても勤め人の可処分所得が、残業削減・手当カット・社会保険料や市町村民税の大幅増税などにより、大幅に減少しているという現実の分析が足らず、油断があった。
③ 注文住宅会社であるタマホームが、分譲住宅や分譲マンション事業者の仲間入りをしようとして、その違いに翻弄され、あちこちに分譲用地がなおざりにされた。
④ 玉木社長自身がバブル化したことにより、経営の安定収益基盤を作るとして長期投資用ビルなどの購入に走った。しかし、リーマンショックによりそれどころではなくなった。一部取得した物件からは、利益どころか評価損が出る始末に。
⑤ 同社の財務内容は、店舗出店経費や広告宣伝費に膨大な経費を投じてきた、そのため
内部蓄積が売上高に対して今では貧弱となっていた。
⑥ タマホームの経営スタイルは、行け行けドンドンスタイルであり、同社がこれまでに
伸長し続けていた時に踊り場を形成していたらば、組織の見直し・経費の見直し・営業政策の検証など行っていたらば、そうした時に大きな利益が転がり込んでいたと思われるが、固定費の上昇がとどまることを知らず、常に損益分岐点を押し上げていた。そうしたチャンス時に、マンション業者の買収や分譲マンション開発用地の購入、分譲開発地の売れ残り物件の購入、投資用物件の購入に勤しんでしまった。
注文住宅会社が好調である時に必ず生じるメリット(内部蓄積)を、投資に回し続けて、内部蓄積を疎かにした。
その結果、利益が貯らず、右肩上がりの時にはそれでもクリアーされるが、下がった
時には、大きな損失が生じてしまう経営構造に陥っていた(2010年5月期が実証)。

改善されてきた事項
① 組織肥大化による無駄が、スリム化で収益構造を変えてきた。固定費の削減。
② 広告をむやみやたらに打たなくなった。広告宣伝費の削減。知名度は既に行き渡って
いる。
③ 住宅展示場への展示開始。固定費を節減した店舗展開の導入。
知名度を活かした営業を継続するため、営業空白エリアでの住宅展示場での進出
④ 不動産の処分・処理、マンション用地として購入していた不動産の開発及び処分
杉並区の分譲物件や川崎市での分譲マンション開発。ほか処分へ。
⑤ 昨年末から今年始め同社が窮していた時、自然退職を狙ったのか定かでないが、工務
や事務を営業に回したりしていた。しかし、工場で用いられる多能工化の推進と見れば、逆にそうした動きがこれからの営業や工務にとっても良かったと思われる。
(こうした動きを会社に有効に至らしめるのは上司=社長の考え方次第であるが)
  従業員の危機管理意識を高めることで、業績が向上することは多々である。
など挙げられる。

同社は急成長を遂げてきたことから、2010年5月期はちょうど踊場にさしかかったと捉え、これまでの反省や再興への方策の熟慮の時期として、同社にとっても社長にとっても貴重な時間になったと思われる。

 今期どのような経営数値を計画されているか詳しくは不知であるが、毎月900棟から1,000棟に回復してきている話(あくまで話)もある。今後は売上高とともに最終利益を最優先に経営されることを祈るばかりである。当然、玉木さんは中洲祭りも終わったことだし、中洲ロイヤルBOX詣でも回数が少なくなろうが・・・。

(ルカ18・14) だれでも高ぶる者は低くされ、へりくだる者は高められる。・・・謙虚に。

 

[ 2010年10月13日 ]
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