アイコン 八代市食肉センター訴訟/最高裁、福岡高裁判決破棄して差し戻し

八代市営の八代市食肉センターが2001年閉鎖したのに伴い、八代市が利用業者らに支払った支援金約3億1,200万円。住民が、当時の沖田市長に対して八代市に返還するよう求めた訴訟で、最高裁の藤田裁判長は23日、福岡高裁が「支援金の法的性格について、「損失補償金」か「補助金」かを明示せず、住民側の訴えを退けたのは、是認できない」として、福岡高裁に差し戻した。


① 「損失補償」とすれば「業者らが受けた不利益は損失補償の要件には当たらず、適法でない」
② 「補助金」とすれば「違法な予算執行を許容するに等しい結果をもたらさないか否かなどについて審理、判断する必要があり、高裁判断は審理が尽くされていない」-と差し戻しの理由を述べている。

当訴訟は2001年7月に提訴。04年7月の一審熊本地裁判決では住民側が勝訴したが、05年11月の福岡高裁判決は一審判決を取り消した。市も元市長側で訴訟参加している。

最高裁の藤田裁判長は、支援金の法的性格を具体的に「損失補償金」か「補助金」かに絞り込み、その性格や問題点まで触れている。福岡高裁は窮地に立たされると同時に、差し戻し審で沖田(元)市長側が敗訴した場合、沖田(元)市長は違法支出者として3億1200万円支払わねばならなくなる(そんな大金持っているのかな?)。当然受け取った業者にとっては昔の話であり、支払う金はなかろう。あったとしても時効も成立している。
 ※税金である市の資金の支出は、自ずと法的な裏付けがなければ支払うことができないとした判決であり、こうした事案で安易に支払っている市町村に対して警鐘を鳴らす判決である。

 なお、広大な敷地の八代市食肉センター跡地は、いまだ閉鎖されたままとなっており、安全面から市の管理責任が八代議会で問題になっている。

 

[ 2010年2月24日 ]
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