アイコン 沖創建設/コムシティ 3億5,000万円以内で売却へ

沖創建設は2007年9月、北九州市黒崎駅にある商業施設コムシティを24億4000万円で取得したが、同社は、当商業施設を再オープンさせないまま、北九州市に売却することで決着の見通しとなった。
「COM CITY」はこれまで8年間も開かずのままとなっている。

当商業施設は、JR黒崎駅の西地区再開発事業として、第3セクターの黒崎ターミナルビル㈱により、複合商業施設「COM CITY」として2001年11月にオープンした。
地上12階建ての商業施設用の44,000㎡の床面積部分を、黒崎ターミナルビル㈱が買い取り、110のテナントでオープンさせた。しかし、個人消費の低迷により、客数が計画通りに集まらず、売上高も上がらず、同社は、オープンから2年も経過せずして、2003年5月負債総額約130億円で自己破産した。
その後、同施設のテナントも次々撤退、閉鎖されたままの商業施設となってしまった。
そうした建物を2007年9月、沖縄県の沖創建設㈱が購入、世間を驚かせ、大きな期待を地元民にもたらした。
同社は、コールセンターやスーパーをテナント入居させ、商業施設として新たにオープさせる計画であった。
ところが、入居テナントのコンサルをしていたユニディオ・コーポレーションが経営不振により当事業から撤退。その後、景気は悪化するばかりで、商業施設として再日の出を見ることはなかった。
沖創建設自体も業績悪化、福岡支店を撤退させるなどして、昨年には、当不動産にかかる固定資産税(約1億20百万円)の支払いも滞っていた。

そうしたなか同社は昨年12月、北九州市に対して買い取りを要請した。北九州市にとっても、黒崎駅の顔であるターミナルビルが閉鎖されたままで、地元民からの強い買い取り要請もあり、今般、3億5,000万円を上限に買い取ることを表明したものである。
(北九州市は、黒崎ターミナルビル㈱の破綻により、同社に対して36億円の無利子融資があり、30億円焦げ付いた経緯がある)

沖創建設は、同建物購入にあたり資金を借入で賄っており、これまでの金利も合わせれば相当なものとなるが、他力本願による見切り購入が、こうした結果をもたらしたといえる。同社が20数億円におよぶ売却損に耐えられるかどうかは、同社に対する沖縄の融資銀行次第であろう。

北九州市では取得後、当施設内を改装、一部オフィス化して2年後(2013年3月)に新装オープンさせる予定である。

北九州市の八幡地区は、明治時代から新日鐵(八幡製鐵所)で栄えた。しかし、新日鐵関係の多くの企業群が、本社や中枢機能を中央に移転してしまい寂れるばかりとなっていた。 
やっと、最近ではトヨタなど自動車産業の誘致により、少しは明るくなってきた北九州工業地帯にあり、当駅ビルの復活は、地元民に大きな期待が寄せられている。
 

沖創建設
[ 2011年2月17日 ]
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