大豊建設研究/株価106円
同社の株価は、1月の60円台から低位株見直し相場に乗り4月23日106円となっている。同社の元々の発足は満州の官吏土木。そのためか土木工事を得意としている。
土木工事の主たる発注者は官庁、財政赤字から減り続ける建設投資予算に対して、建築工事を増加させてきた経緯がある。先細りする土木工事を予想して、建築工事主体の森本組(2003月10月破綻)2004年3月に子会社化した。そのため05年3月期から売上高も増加させている。09年3月期の森本組の売上高は380億87百万円、経常利益17億92百万円となっている。
大豊建設の単独決算は1,001億30百万円、経常利益は4億35百万円にとどまる。連結による09年3月期の赤字原因は、希望退職者を募ったことにより発生した早期割増退職金7億46百万円や株式評価損6億94百万円などあるが、特別利益で不動産売却益13億52百万円を計上、税引前利益は31億80百万円あった。09年3月期の大きな赤字原因は法人税等調整額▲64億50百万円の計上によるところである。
09年3月期の売上高における工事別比率は、土木工事が52.5%、建築工事が44.3%。
大豊建設単独では、土木工事売上高503億26百万円(50.2%)、建築工事売上高498億03百万円となっている。森本組の建築工事より同社単独の建築工事の売上高が多くなっている。特に大豊建設(単独)の建築工事の受注は特命工事が80%以上と高く、09年3月も88.6%を記録している(もっと儲からなくっちゃ)。
海外工事は台湾での工事実績が多くマダガスカルの空港土木工事も行いっている。売上高の10%前後が海外工事売上高となっている。
財務内容は、自己資本率は18.20%で、健全領域の25%以上まで引き上げる必要があるが、有利子負債は202億円であり、特に問題とするところは少なく、今後の営業利益次第であろう。
連結/百万円 | 2007年3月期 | 2008年3月期 | 2009年3月期 | 2010年3月期予 |
売上高 | 155,825 | 163,246 | 142,353 | 137,000 |
営業利益 | 1,673 | -1,649 | 1,516 | 2,200 |
営業利益率 | 1.07% | -1.01% | 1.06% | 1.61% |
経常利益 | 2,811 | -301 | 1,950 | 1,800 |
当期利益 | 1,014 | -647 | -3,536 | 1,600 |
総資産 | 163,981 | 155,363 | 117,139 | |
固定資産 | 27,786 | 24,062 | 17,440 | |
自己資本 | 28,948 | 25,959 | 21,286 | |
資本金 | 5,100 | 5,100 | 5,100 | |
有利子負債 | 22,206 | 24,265 | 20,268 | |
自己資本比率 | 17.70% | 16.70% | 18.20% |
主な受注工事
東京都財務局 | 中央環状品川シールドトンネル工事 | 平成23年10月完成予 |
日本下水道事業団 | 堺市大和川ポンプ場建設工事 | 平成23年3月完成予 |
(財)首都圏不燃建築公社・三菱地所㈱ | (仮称)阿佐ヶ谷駅南口共同ビル新築工事 | 平成23年3月完成予 |
東急不動産㈱ | (仮称)ブランズ南千里新築工事 | 平成22年3月完成予 |
[ 2010年4月28日 ]
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/