新日本製鉄 3月期決算 売上高26.9%ダウン
同社の国内最大の製鉄事業は、国内需要は、主として海外需要の回復を受けて生産が持ち直してきた自動車・電機等の製造業分野において鉄鋼需要が緩やかに回復してきたが、建築・土木分野については低迷が続いている。
一方、海外マーケットにおいては、アジア諸国の急速な景気回復に牽引され、第2四半期以降、鉄鋼需要は好調に推移。
同社は、第1四半期において、鉄鋼需要が低迷するなか、大規模な減産を継続したが、第2四半期以降の国内及び海外の需要の回復を受け、改修後稼働を延期していた大分製鐵所第1高炉は昨年8月に、また停止中であった君津製鐵所第2高炉は昨年10 月に稼働を再開し、生産・出荷水準を引き上げてきた。しかしながら、第1四半期の減産の影響が大きく、通期の鋼材出荷数量は前期を111 万トン下回る2,709 万トンにとどまった。
売上高・営業損益については、鉄鉱石・原料炭価格の引き下げに加え、安価原料の使用拡大や固定費の徹底的な削減等、最大限のコスト改善を実施してきたが、前年度下半期以降上半期にかけての市況品分野を中心とする鉄鋼マーケット環境の悪化の影響等が大きく、製鉄事業として対前期比で大幅な減収・減益となったとしている。
設備投資や建設需要の回復にはかなり時間がかかると思われ、少し回復してきた自動車や家電向けに期待するしかなかろう。
連結/百万円 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期利益 |
09年3月期実績 | 4,769,821 | 342,930 | 336,140 | 155,077 |
10年3月期実績 | 3,487,714 | 32,005 | 11,833 | -11,529 |
同社は今期について、主原料の大幅高を受けて、大口需要家と交渉中であるとしている。
[ 2010年4月30日 ]
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