アイコン 資源価格高騰を考える①/鉄鉱石 鉄鋼価格は再度上昇へ

資源メジャーが、世界不況に関係なく大幅に価格を上昇させている。特に鉄鉱石と石炭の値上げは鉄鋼価格にそのまま反映される。これにつれ、原油もじわりじわり値が上がっている。
こうした、値上げは中国の不動産バブルに起因しているものであるが、世界経済が少しでも回復してくれば、輪を掛けて値が上がろう。新興国の急激な経済発展は、資源の需給バランスを崩した結果、価格上昇という資源争奪戦に発展している。

自由主義経済下では、需給バランスにより物の市場価格が決定されるが、現在の市場価格は投機筋により好き勝手に動かされており、需給バランスなどお構いなし。しかし、引き金となった新興国の経済発展は、リーマンショックで一時的に調整されているものの、中国のようにバブル化してしまっている国もある。そうしたことから、原油価格はリーマンショックで投機筋が逃げたため暴落したものの、その他の資源は高止まりしている。原油価格もまたじわり上昇しており、新興国の台頭と景気回復により今後とも資源の値上がりは必至である。 

<鉄鉱石>
鉄鉱石はメジャーが世界の資源を独占しており、価格は国連でも調整しなければ一方的に上がるばかりである。新日鐵のブラジルのヴァリからの輸入価格は08年度トン当たり77ドル、09年度55ドル、2010年は09年の90%高の100~110ドルと史上最高価格での輸入となる。
世界3大資源メジャー・・・鉄鉱石シェアー合計61%
(1)ヴァリ(バーレ・Vale、旧リオドセ)  ブラジル
・ 世界最大の鉄鉱石生産会社 世界の輸出量の29%を占める
     カナダ鉱山会社「インコ社」を約2兆円強で買収
     鉄鉱石産出量世界第1位
(2)リオ・ティント  豪州・英国
 ・ ロスチャイルド家の傘下企業
     カナダのアルミ鉱山会社アルキャンを約4兆6,500億円で買収、世界最大のアルミ生産会社
     世界に鉱山会社所有
     鉄鉱石産出量世界第2位
(3)BHPビリトン  英国
     世界最大の鉱山会社、 鉄・ダイヤモンド・石炭・石油・ボーキサイト等
     鉄鉱石は豪州と南アフリカで産出
     鉄鉱石産出量世界第3位
       BHPビリトン(英国)が、リオ・ティント(豪州)と豪州生産につき事業統合契
約済、鉄鉱石輸入国の中国・日本等が猛反対しており、まだ豪州政府等の認可待ち。(07年には買収計画があったが、各国政府が反対して潰した)
 
 

08年鉄鉱石輸出のメジャーシェアー
企業別
輸出量シェアー
 
ヴァリ(バーレ)
29%
 
リオ・ティント
18%
 
BHPブリトン
14%
小計 61%
Kumba
3%
 
LKAB
2%
 
その他
34%
 

 

08年鉄鉱石輸出量と占有率
 
輸出国
輸出量/百万トン
占有率
 
豪州
309
37%
 
ブラジル
282
33%
小計 70%
印度
101
12%
 
南アフリカ
32
4%
 
カナダ
22
3%
 
その他
97
11%
 
合 計
843
 
 

 

08年鉄鉱石輸入量と占有率
輸入国
輸出量/百万トン
占有率
中国
443
52%
日本
140
17%
韓国
50
6%
西欧州
128
15%
その他
82
10%
合 計
843
 

 

07年鉄鉱石生産国の生産量とシェアー
国 別
生産量/千トン
占有率
ブラジル
336,526
21%
中国
332,000
20%
豪州
299,061
18%
印度
206,939
13%
ロシア
104,953
6%
その他
350,521
22%
 
1,630,000
 
※中国は品質調整後数値
 
 

[ 2010年4月 5日 ]
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