資源価格高騰を考える④/鉄スクラップ価格の上昇
鉄鋼会社は、鉄鉱石を用いる高炉メーカーと鉄スクラップからリサイクルする電炉メーカーとに分かれる。価格は鉄鋼価格に連動するが、この間国際的な鉄鋼価格の上昇で鉄スクラップ価格も上昇した。08年7月2日トン当たり71,500円まで上昇、ところが雲行きが怪しくなり、08年9月のリーマンショック後の11月5日には11,000円まで激落した。しかし、その後価格は少しづつ上昇、ところが2010年1月28,000円前後が3月には急上昇して、4万円(東京製鉄・岡山、特級品)近くまで上昇している。
建材用のH形鋼(5.5 / 8 X 200 X 100)は、高炉・電炉で生産、電炉が得意とする製品である。その価格は、4月より高炉メーカーが値上げすることから65,000円前後(2月)が急上昇している。
08年8月135,000円を付けた価格も鉄スクラップ価格の下落により電炉メーカーが08年12月までに5万円値を下げ、高炉メーカーも09年2月4万円下げ、その後は不景気で需要がなく下がり続けてきた。
価格(2010年3月) (月平均価格、東京・中部・関西三地区平均) | ||
価格/円/トン | 価格動向/円 | |
異 形 棒 鋼 | 55,800 | 前月比+3,200 |
H 形 鋼 | 63,900 | 前月比+3,800 |
鉄スクラップ | 33,300 | 前月比+5,100 |
鉄鉱石価格が4月から上昇するため、鉄鋼製品も値上げされ、市場価格も3月から上昇、3月末にはH形鋼が75,000円付け、建設に鉄筋として使用される異形棒鋼(SD295 16-25ミリ直送)も6万円となっている。
以上のように建築関係鋼材も価格が急上昇しており、建設業者は特に見積もりに注意する必要がある。
[ 2010年4月 8日 ]
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