アイコン ミツミ電機 スト終結 / 富士康は深セン大幅縮小 中国から逃げ出す

賃上げ要求で6月29日からスト突入していたミツミ電機の中国子会社天津三美電機有限公司で、交渉が7月3日妥結、操業再開の見通しとなった。
IPADを生産しているEMS(電子製品の受託製造)世界最大手の鴻海精密工業(台湾)の子会社であるフォックスコン(富士康科技)が、中国広東省深センにある工場規模を、2年後を目途に大幅縮小することを決定した。

従業員はこれまでの40万人から数万人に削減、業務内容も米アップル社のOEM生産のみとする。関連の生産業務は、今後賃金水準が深セン市をはるかに下回る重慶市や河南省などの内陸部に移転するほか、台湾本土への復帰や、インド、ベトナムなど新興国にも一部分散させる計画である。(富士康の深セン工場では、低賃金による残業過多で自殺者が多発、社会問題化する直前の5月に賃上げに踏み切り、10月に再度大幅賃上げをすると発表していた)
付加価値の取れない生産工場を中国に有する日本企業は、今賃上げが一巡すれば、第2波・第3波が訪れることが必至であり、賃上げに耐えるか、内陸部に移動するか、ベトナムなどへ移転するか迫られることになる。
中国共産党系の組合は、企業側の御用組合と看做されており、新たに作られた第2組合がストをリードしており、政府も抑えられないのが実情。政府が強権を発動すれば、貧富の差という基本問題に火が付くことにも成りかねず、政府は静観している。しかし、外資が賃金上昇で中国から逃げ出せば、失業問題もクローズアップし、政府の舵取りは一段と厳しさを増す。
日本の自動車業界の中国進出は、中国生産工場からの輸出より、中国国内で販売することを目的に進出しており、第2波・第3波の賃金上昇に耐えるしかない。
昔、日本の賃金もストにより上昇したが、30年前の日本の労働争議が今中国で今展開されてきていると思えば、自然な成り行きである。
中国は国の広さも人口もケタ外れており、不満の対立軸は山のようにある。不景気突入ともなれば、一機に不満が爆発表面化するおそれもある。
 

[ 2010年7月 5日 ]
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