アイコン マンション設計期間を半減する急速設計/三井住友建設

三井住友建設は、業務プロセス変革の施策の一つとして、マンション設計期間を半減する急速設計システム「ShukuGen」」を開発、運用を開始した。
「ShukuGen」は、弊社設計施工の15階200戸程度までの板状マンションを主なターゲットとした設計システム、これまで設計着手から確認済証交付まで8~11ヶ月程度かかっていた設計期間を、最短で5~6ヶ月にするもの。

マンション開発事業者にとっては、
① 敷地の金利や租税の節減(総工期短縮)
 ②開発事業計画(売上計上年度等)の計画的な実行
③)事業企画時に入念な検討・工夫の時間的余地が作れる。
といったメリットを事業計画に応じて使い分けることができる。
※商標登録出願中 

開発に当たっては、約100工程からなる従来の設計業務プロセスを、約500工程に細分化して徹底的に分析することで、期間短縮における課題を抽出。その課題に対する方策を盛り込んだ最適な設計業務プロセスを再構築することで、大幅な効率化を実現した。

「ShukuGen」の構成
(1)設計業務プロセスの整流化
 設計着手時にお客様との間で適切な仕様確定時期を設定し、それに基づく工程管理を行なうことで仮検討、手戻りを削減。
(2)設計検討ナレッジの整備
 情報、知識、検討プロセスの一元管理、標準化を行ないナレッジとして整備。
(3)マンション設計データベースの構築
 これまで設計施工したマンション案件の詳細情報をデータベース化し、随時活用できる環境を整えた。
(4)設計図書記載情報及び作成手法の合理化
 各設計図書に対する役割を一から検討し、最適な情報量や作成手法を定義した。
(5)クロスファンクショナル活動
 社内ワーキング活動等により情報の新規取得や共有化を行ない、設計技術者のスキル向上や設計品質の維持向上を図った。
 これらの方策は既に実案件で試験運用を実施しており、不具合の修正も完了し効果についても検証済み。これら方策を実行することにより、従来に比べて4割以上の設計工数を削減したとしている。

コメント、

分譲マンションの設計業務が最短5ヶ月で完了するという。サブプライムローン問題などのように、いつ不景気が押し寄せるか分からない。現在の取得から開発まで最低約2年を要し、その半分弱が設計に要している。短期設計は景気の影響を受ける度合いがそれだけ少なくなるというメリットが生じる。
 設計図面は色々見てきたが、中にはいいころ加減な図面も散見される。特に賃貸マンションの設計図面は、他の建物の図面を写し取ったような図面が良くある(それも間違っていることもある)。
 戸建では、アキュラホームシステムなどが、基幹設計で、バリエーションが200も300も用意でき、あらゆる客の注文に応じられるシステムとなっている。
分譲マンションの設計でも、今時のコンピュータを駆使すれば、各条件を備えた短期設計は可能と見る。15年前までは、鉛筆の線で設計の優劣を決めていたときもあった。時代も変わっている。変形建物でもない限り、板状分譲マンションは、パターン化・システム化することによって、顧客により安く、より短期に建物を提供できると思われる。
 
 

[ 2010年7月 9日 ]
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