アイコン 進化する建設技術⑯  大成建設と東光電気、室内環境制御システム「T-Zone Saver」開発

大成建設と東光電気は、共同開発した「次世代型人検知センサ」を利用し、人の在席状況に応じてゾーン単位で空調及び照明を自動制御し、快適性を保ちながらエネルギー消費を最小化する自動環境制御システム「T-Zone Saver」を開発し、東光電気社屋での運用を開始した。 

今回開発した「T-Zone Saver」は、空調設備においては、人がいるゾーンには通常の快適空調環境を提供し、不在ゾーンでは、設定温度や運転モードの軽減を行うと同時に、在席率に応じた外気量抑制を行って空調負荷を低減。中央熱源方式の空調システムは元より、多くのオフィスで利用されているヒートポンプを使ったビル用マルチエアコン方式に、本制御システムを導入することで更なる省エネ効果が期待できる。
また、照明設備においては、在席ゾーンには必要な照度を提供し、隣接した不在ゾーンでは照度を低く制御。更に、一定距離を置いた不在ゾーンは消灯するなどの緻密な制御を行うことで快適性と照明負荷の低減を両立させる。
本システムの中核を為す技術が、人体だけを確実に認識することができる「次世代型人検知センサ」です。従来の人感センサは、人の移動による温度変化とタイマー機能を組み合わせたものだったため、人が静止している場合は高い精度で認識することが困難だった。 
したがって、人がいても消灯してしまうなど誤作動が多く、オフィス等への適用には不向き。
これに対して両社が開発したセンサは、人体が発する温度そのものを認識し、PCの発熱や日射による温度変化との識別も可能なため、静止体も含めた人の「在/不在」を確実にリアルタイムで認識。このセンサを活用し、設定した範囲内における人の在/不在情報と在席率情報を常時、正確に把握し、ゾーン単位で最適な制御を行うことで、空調・照明設備のエネルギー消費を最小化(スマート制御)することが可能となる。
また、多段階での調光が可能で、制御変更の反応が速いLED照明や高効率機器を用いたオフィスに「T-Zone Saver」を導入することにより、従来の一般的なオフィスと比べ、建物全体でおよそ50%の消費エネルギー(=CO2)削減効果が見込まれる。
今回実用化した技術は、新築・リニューアルを問わず導入可能で、オフィスの他にも病院や生産施設への適用も見込まれます。更に、エリア内の在/不在情報をリアルタイムでモニター出来る機能をセキュリティや防災面に活用するなど、多用途への展開を図っていく。

当センサーを家庭のエアコンに取り入れれば、消し忘れのときにも助かる。
 

[ 2010年7月23日 ]
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