アイコン ニトリと大塚家具の経営比較

不動産ミニバブルの波に乗ったニトリ、高級家具というブランド化に成功した大塚家具である。
07年7月サブプライムローン問題の世界の株式市場での表面化、08年9月極め付けのリーマンショックによる急激な経済変動、住宅着工件数の大幅な落ち込みとめまぐるしく変動する経済環境下、大きく隔たれが生じた両社の経営推移を比較。
01年度の売上高は、大塚家具が712億14百万円(01/12期)、ニトリが787億52百万円(02/2期)とほぼ互角であった。大塚家具は高級家具路線を取り、ニトリは大衆家具路線を突っ走った。その結果大塚家具は10年前に比べ売上高を落とし、一方のニトリは不況下であっても成長を遂げ3.6倍と脅威の伸びを示している。
店舗数もニトリの210店舗に対して、大塚家具は19店舗と営業展開の仕方もまったく異なるが、利益が出なければ段々打ち出す戦略も小さくなってくるのが世の常である。

ニトリ大塚家具比較グラフ

ニトリ大塚家具比較グラフ

 

大塚家具
 
連結/百万円
0512
0612
0712
0812
0912
09-05
売上高
69,649
70,062
72,769
66,803
57,925
-11,724
  対前年比
101.2%
100.6%
103.9%
91.8%
86.7%
83.2%
経常利益
5,471
5,350
4,780
1,456
-1,337
-6,808
当期純利益
3,649
3,397
2,799
-530
-1,490
-5,139
資本金
1,080
1,080
1,080
1,080
1,080
0
純資産額
43,123
39,564
40,830
36,595
34,655
-8,468
 
 
 
 
 
 
80.4%
総資産額
58,483
52,923
53,803
46,625
43,707
-14,776
自己資本率
73.7
74.8
75.9
78.5
79.3
 
 
ニトリ
 
連結/百万円
062
072
082
092
102
10/2-06/2
売上高
156,758
189,126
217,229
244,053
286,186
129,428
  対前年比
121.1%
120.6%
114.9%
112.3%
117.3%
182.6%
経常利益
19,034
23,101
26,568
33,969
47,430
28,396
当期純利益
10,914
13,434
15,464
18,353
23,838
12,924
純資産額
71,178
84,434
98,958
114,378
134,164
62,986
 
 
 
 
 
 
188.5%
総資産額
136,856
156,220
179,614
196,607
218,386
81,530
自己資本率
52.0
54.0
55.1
58.2
61.4
 

ニトリはデフレ経済に値下げを断行(追加して300品目も)、生活雑貨も含め売上高を伸ばし、薄利多売方式で大きく利益も底上げしている。営業戦略が顧客ニーズを完全に捉えた結果の経営数値となっている。
一方、大塚家具は、撤退や赤字など高級家具路線に暗い影を落としている。同社の家具は徹底した自社管理の下で上海総家具公司でも製造されていた。そのため品質レベルも高く家具の不具合は皆無といってよいが、それを求める層が不景気により減少していることから大きく売上高を落としている。大手の重役さんたちが、金は持っていても世間体から住宅の新築を見送っている影響も受けている。
高級路線では、住友林業の住宅売上高と大塚家具の売上高は連動しようが、したたかなスミリンであり、大塚家具が付いていけないのかもしれない。店舗数もまた裕福な層は海外の高級家具を調達する傾向もあり、不景気で更に購入層の幅が狭くなっていると思われる。
ニトリは当初から東南アジアでの企画生産からスタートさせており、価格に揉まれてきた家具販売会社。一方大塚家具は桐箪笥屋さんからスタートしており、両社は考え方も戦略も異なるが、顧客ニーズに沿えるかどうかは常に企業発展には重要である。

今後ニトリもイケヤが、全国のあちこちに店舗を作った場合、ものめずらしさに群がる習性を持つ日本人気質の影響を受けることから、今後の営業戦略立案は重要となる。

これまで日本の家具メーカーで間違いないのは、天童木工やカリモクであった。それにマルニ木工(再建中)なども優秀であったが、大衆家具の大川家具同様海外産に押され、国内家具メーカーは何れも苦戦しているのが実情である。・・・大塚家具もまた。
 

[ 2010年8月 5日 ]
モバイル
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
スポンサードリンク