アイコン 悠香「茶のしずく石鹸」 小麦依存性運動誘発アナフィラキシー問題

悠香の「茶のしずく石鹸アレルギー」の発症者は471人、うち66人が救急車で搬送それるなど重篤者となっていることが厚労省から15日発表された。
 
<これまでの小麦加水分解物含有石鹸アレルギー>
 これまで、市販されている多くの化粧石鹸に湿っとり感の保湿効果を高める成分として、小麦加水分解物が利用されてきた。しかし、悠香のような問題は発生していない。元々小麦アレルギー体質の人を除き、小麦加水分解物を含有した化粧品でアレルギーになった人も殆どいなかった。それが何故に、悠香の化粧石鹸に現れたのだろうか。

それは、悠香の茶のしずく石鹸に用いられる小麦加水分解物質の微粒子が、普通の化粧石鹸よりキメ細かく、顔の皮膚から吸収されやすいものとなっていたためとされているが定かなことはわかっていない。
 
そのアレルギー反応は、人によって異なり、潜在的に反応する体質の人が使用した場合に発症しているようだ。そうした人でも人によって発症する使用回数や肉体的状況でも異なるという。
 
アレルギー情報センターによると、小麦は成人の食物アレルギーの原因の中で最も頻度の高いものの一つとされ、2009年頃から、これまでの小麦アレルギーの発症に見られる全身性の膨疹を特徴とする小麦の運動誘発アナフィラキシーではなく、眼瞼の発赤・腫脹と顔面の皮膚のかゆみの発赤・蕁麻疹を主要な臨床症状とする、これまでの臨床経験からすると非典型的な女性の成人小麦アレルギー症例が多数報告され、それらが皆“茶のしずく石鹸”という加水分解コムギというグルテンの加水分解物を含有する洗顔石鹸を使用していた。
その後の詳細な臨床的観察と血清学的な検討から、これらの非典型的な小麦アレルギー症例は、“茶のしずく石鹸”中の加水分解コムギに対する固有の過敏性を獲得しており、結果的に経口摂取による通常の小麦成分に対しても過敏性を示すようになっていることが示されている。
 
悠香の場合、茶のしずく石鹸アレルギー発症の重篤者の多くが使用後、運動やジョギングなど体力消耗行為を行い、発症している例が多いとされ、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと見られている。
 
食物依存性運動誘発性アナフィラキシーとは、アスピリン薬剤・食物・運動の複合要因でアレルギー反応を起こす病態のことをいい、小・中・高校生の1万人に1人程度の割合で発生しているとのこと(2006年調査)で、決して頻度は低いものではない。
ある特定の食物で、普段は食べてもなんともないのに、食べた後に運動をするとアナフィラキシーを起こすことがある。これは食物依存性運動誘発アナフィラキシーとよばれ、運動によって原因食物の吸収が増加して起こるといわれているが、その仕組みについては、はっきりとはわかっていないのが現状。
 
悠香の場合でも、現在のところ471人が発症しているとされるが、茶のしずく石鹸愛用者が400万人いるとされ、率にすると0.011%となり、1万人に1人の割合となっている。
アナフィラキシー:anaphylaxis:防御の消失した状態の意・・・アレルギーのうちで、特に症状の激しいもの、薬物ショックなど。(血清療法のあとなどに起こる)過敏症。
 
<厚労省、2011年7月29日「薬事・食品衛生審議会 医薬品等安全対策部会」>
「小麦加水分解物含有石鹸『茶のしずく石鹸』と全身性アレルギーに係る報告」についての経緯は、小麦を加水分解した成分を含有した石鹸の使用者において、小麦含有食品を摂取して、その後に運動した際、全身性のアレルギーを発症した事例が報告されたことを受け、昨年10月15日付で、小麦加水分解物を含有する医薬部外品、化粧品について、製造販売業者に対し、小麦アレルギーに関する注意喚起及び副作用報告の徹底を求めた。
(昨年10月、厚労省は消費者庁に対し、当副作用問題を通知していたが、消費者庁は何故か発表せず、単なる連携ミスと処理されている。)
 
(それを受け、悠香は昨年12月11日顧客に対し、HPに掲載するとともに顧客に対し注意を喚起した。)
 
その後、悠香が製造販売する「茶のしずく石鹸」の使用者において、同様の「運動誘発性アレルギー」に関する副作用報告が集積したことから、本年5月20日、悠香により当該製品の自主回収すると発表された。
 
更に本年7月14日付で、独立行政法人国民生活センターより、当該製品における危害状況の報告が公表されたことから、同日付で(株)悠香に対し、当該製品の使用者及び所有者に対する回収情報の周知徹底、サンプル提供等の原因の調査への協力を指示した。
 
これまでの副作用報告の集積状況は、平成23年7月15日までに、医療機関から109例、製造販売業者である悠香から159例の報告があった。
報告内容としては、食物依存性運動誘発性アレルギーの疑い症例が、医療機関報告で55例、企業報告で125例あり、そのうち情報が十分なく、評価の難しい例が多く、専門家の評価により因果関係が否定できないとされたのは、それぞれ35例と14例である。
 
<食物依存性運動誘発性アレルギー症状>
食物依存性運動誘発性アレルギー症状:FDEIA:food-dependent exercise-induced anaphylaxisは、アスピリン薬剤・食物・運動の複合要因でアレルギー反応を起こす病態である。
原因食物として小麦、次にエビ、果物が多い。特定食物摂取後、2~3時間後に運動するなどで生じ、アスピリン製剤の使用などにより誘発されやすくなるとされる。
小麦の原因抗原は、ω-グリアジン・高分子量グルテニンであることが分かっている。悠香が発売した「茶のしずく」(2010年12月7日以前販売分)に含まれる加水分解小麦という成分で生じる接触性蕁麻疹によって感作されることが報告されている。
 
<今の悠香の「茶のしずく石鹸」>
 こうした問題から、昨年12月11日以降に販売されている「茶のしずく石鹸」には、小麦由来成分の含有はない。
 
<リウマチ・アレルギー情報センター>
 
[ 2011年11月19日 ]
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