米のハゲタカ格付会社スタンダード・アンド・プアーズ（Ｓ＆Ｐ）は２６日、スペイン国債の格付けを債務拡大や景気悪化を理由に「シングルＡ」から「トリプルＢプラス」へと２段階引き下げた。国内総生産（ＧＤＰ）の見通しについては、２０１２年は１．５％減、１３年は０．５％減と予想している。

なお、２０１１年１２月のスペイン若年層の失業率は４８．７％に達しており、この間、更に悪化しているものと思われる。これは若年層においては、２人に1人の割合の失業率であり、救いようのない事態に陥っている。
２月のＥＵ２７ヶ国の平均失業率は１０．８％、ＥＵの中で経済規模がドイツに次ぎ第２位のフランスでも１０．０％に達しており、現在行われている仏大統領選では、財政再建か失業対策かを最大の争点に戦われている。
　
各国の財政問題は、ＩＭＦ主導の財政立直し至上主義が用いられており、世界経済で№１の経済圏であるＥＵのこん日の方策はＩＭＦの代行者的役割を担っているに過ぎない。
しかし、各国の財政問題を緊縮財政のみで解決をはかることは、経済成長がマイナスにシフトすることであり、失業率は更に悪化、暴動へと発展する可能性を秘めている。
ＩＬＯは４月２９日、２０１１年末時点の失業者数が、全世界で推定１億９,６００万人。２０１２年の失業者数は２億０,２００万人、失業率は６．１％に達する見通しを発表している。その原因につき、緊縮財政や厳しい労働改革で雇用が創出されていないことを上げている。
特に若者の失業率も上昇しており、特にアフリカや中東では社会不安のリスクが高まっているとも指摘している。

国家の放漫経営の成れの果ての状態が、現在の各国の財政問題となっており、特に欧州経済の悪化のスパイラルは、世界的経済規模から見ても、問題が多過ぎ、中国経済も含め連鎖反応を起こしている状況下にある。
欧州では、既に金融機関が自己防衛のため企業向けの融資を渋り、各国内の循環する資金は縮小、経済悪化し続けている。

日本の国家財政は、欧州の財政危機どころか論外な財政破綻状況にあり、いつ爆発するかわからない、いや、ハゲタカによりいつ爆発させられるかわからない状態が続いている。
消費税増税もさることながら、国が財政再建のため、国会議員自らが、政党助成金の撤廃や報酬を半額にすることくらいできるだろうが、国会議員の総予算を放置したまま、本末転倒な国民にだけ増税を求めており、先は見えてこない。今の日本は、国会議員も含め破綻前のギリシャ並みに公務員天国となっているのが実情だ