課徴金4億1千万円 学習塾「TOMAS」のリソー教育 粉飾違法売上計上制裁
金融庁は21日、架空の授業で売り上げを水増しするなどの「粉飾決算」をしていたとして、個別指導塾大手のリソー教育に4億1千万円の課徴金の納付を命じた。
本来は徴収できない授業料も売上高として計上していた。
リソーは、取りすぎた授業料が最大2万人、約20億円にのぼるとみており、今後返金に応じるという。
リソーによると、今月下旬から関係する保護者に書類を送り、取りすぎていた授業料について説明する。請求があれば、すべて応じる方針という。
金融庁は、リソーは2009年2月期~13年8月中間期に売上高を56億円過大に見積もっていたと認定した。
リソーの説明では、授業を欠席した生徒には授業料を返すが、欠席連絡が当日の場合は返す義務がなかった。
これを悪用し、ありもしない授業をでっちあげ、当日欠席だったことにして売上高に算入していた。
前金で受け取っていた授業料を、架空授業での売上高に回していた。
ほかにも、余った授業料を保護者の確認をとらないまま「返金不要」扱いにして売上高として計上していた。
リソーをめぐっては、証券取引等監視委員会が3月、金融商品取引法に基づき、金融庁に課徴金納付命令を出すよう勧告していた。
東証も同3月、投資家の信頼を損なったなどとして、違約金1千万円を求める処分をしている。
こうした粉飾決算の修正と大赤字になった対策から、同社は21日、資本準備金1,663,905,570円を取り崩し、その他資本剰余金を2,900,843,069円にし、同額を繰越利益剰余金に計上すると発表している。
同社の株価はこうした事態に下げ続け、4月15日には412円まで下げていたが、21日の課徴金命令ですべて問題は終わったとして、21日には80円のストップ高の300円となっている。まさに株は魔物である。
連結/百万円
|
2011/2期
|
2012/2期
|
2013/2期
|
2014/2期
|
2015/2予
|
売上高
|
17,451
|
18,429
|
19,858
|
19,775
|
19,500
|
営業利益
|
1,393
|
1,089
|
838
|
-508
|
530
|
経常利益
|
1,363
|
1,053
|
808
|
-530
|
510
|
当期利益
|
575
|
156
|
221
|
-2,682
|
640
|
総資産
|
10,705
|
12,424
|
15,401
|
16,533
|
|
自己資本
|
472
|
-234
|
788
|
2,663
|
|
資本金
|
693
|
693
|
693
|
2,390
|
|
有利子負債
|
3,515
|
3,157
|
2,969
|
2,485
|
|
自己資本率
|
4.4%
|
‐%
|
5.1%
|
16.1%
|
|
決算 純資産の部 前期比較 4月18日発表分
|
||
連結/百万円
|
2013/2期
|
2014/2期
|
株主資本
|
|
|
資本金
|
693,475
|
2,390,415
|
資本剰余金
|
641,147
|
3,223,702
|
利益剰余金
|
1,568,190
|
-2,737,129
|
自己株式
|
-2,170,384
|
-290,314
|
株主資本合計
|
732,428
|
2,586,674
|
その他の包括利益累計額
|
|
|
その他有価証券評価差額金
|
29,836
|
77,129
|
その他の包括利益累計額合計
|
29,836
|
77,129
|
新株予約権
|
3,133
|
|
純資産合計
|
765,398
|
2,663,804
|
負債純資産合計
|
15,421,918
|
16,533,763
|
モバイル向けURL http://n-seikei.jp/mobile/
コメント