アイコン 名村造船が佐世保重工を完全子会社化  造船業界再編

佐世保重工名村造船所(本社:大阪)と佐世保重工業(本社:佐世保市)は23日、10月1日に経営統合し、名村造船が佐世保重工を完全子会社にすると発表した。規模拡大により、材料などの調達コストを押さえ、国内外のライバルに対抗するねらい。
 日本造船工業会によると、2013年に船舶建造量は、名村造船が4位で佐世保重工が10位だった。統合すれば3位に浮上する。
 統合は、佐世保重工の株主に、新たに発行する名村造船株を1株あたり0.128株割り当てる株式交換で行う。佐世保重工は9月26日付で上場廃止になる。

名村造船所は、明治44年の創業以来、新造船事業を中核とし修繕船事業や鉄構事業を営んできたが、近年は伊万里事業所において、プロダクトミックスを基本方針に 250 千重量トン型鉄鉱石運搬船 (WOZMAX)などの大型撒積船からパナマックスやハンディサイズバルカーなどの中・小型撒積船やアフラマックスタンカー等の多様な建造している。
平成 19 年には資本・業務提携関係にあった函館どつくを連結子会同開発や調達の効率化等を通じてシナジー効果をあげている。
佐世保重工業は、昭和21年の設立以来、旧佐世保海軍工廠(明治19年設立)より受け継いだ設備・造船事業、艦艇修繕事業および機械事業を中核としながら、近年は新造船事業においてはパナマックスバルカーやアフラマックスタンカー等を主力商品とし、艦艇修繕事業・機械事業を主に行っている。
 
名村造船が既に傘下に納めている函館どつくとの3社で一層の
1、設計力・開発力の強化、2、調達の効率化、3、営業力の強化、4、生産戦略の効率化、5、修繕船事業の協力、6、管理部門の効率化等、7、展開力の強化を図るとしている。
 
名村造船所
連結/百万円
2012年3月期
2013年3月期
2014年3月期
売上高
122,633
118,414
124,559
営業利益
11,677
13,554
22,291
経常利益
11,049
14,477
23,677
当期利益
5,640
8,008
12,687
総資産
162,304
147,012
152,891
自己資本
46,605
54,443
66,099
資本金
8,083
8,083
8,083
有利子負債
14,980
12,353
12,359
自己資本率
28.7%
37.0%
43.2%
 
佐世保重工業
連結/百万円
2012年3月期
2013年3月期
2014年3月期
売上高
66,082
35,946
30,968
営業利益
9,862
-1,291
-1,676
経常利益
9,697
-819
-1,626
当期利益
734
-533
-2,848
総資産
84,464
65,795
56,087
自己資本
28,514
27,345
25,098
資本金
8,414
8,414
8,414
有利子負債
23,617
18,891
9,922
自己資本率
33.8%
41.6%
44.7%
 
両社の14年3月期単純合算
売上高
155,527
営業利益
20,615
経常利益
22,051
当期利益
9,839
総資産
208,978
自己資本
91,197
資本金
16,497
有利子負債
22,281
自己資本率
43.2%
単位:百万円
 
主要株主  2013年9月30日現在
名村造船
佐世保重工
新日鉄住金
6.36%
新日鉄住金
9.66%
三菱東京UFJ銀行
4.40%
メタルワン
7.47%
商船三井
4.27%
吉田海運
3.79%
メタルワン
3.76%
シンコウ
2.56%
大和工業
3.36%
佐世保重工佐栄会
2.41%

両社の筆頭株主の新日鉄住金の名村造船の持株比率が2013年3月31時点の7.23%から0.87ポイント減少している。
以上、
造船業界は、過去は日本のお家芸であったが、今では3番手4番手に甘んじている。まずは韓国の台頭にあり、ポスコ等からの安い鋼材調達価格を武器に世界で取り捲り、久しくトップを独占していた。しかし、中国の造船業界の成長は、韓国より安い鉄鋼価格を武器に世界の造船を取り捲り、今ではトップに躍り出ている。しかも、韓国ではできない大型客船(タイタニックⅡ号)まで受注している。韓国はウォン高の影響により、価格競争において中国に圧倒されており、中国の一人勝ちとなっている。
ただ、造船業界も世界不況、特に欧州経済の低迷で、海運業界の発注量は減少しており、今後の発注量は、やっと底を打った欧州経済であるが、ウクライナに揺れており、動向を注視する必要がある。
EUあってウクライナ問題は、米国の代弁者英国はロシア経済制裁の強行派であるが、ユーロには参加しておらず、また、欧州各国ロシアとの利害関係はバラバラである。制裁案はEU諸国の全会一致を基本としており、1国でも反対に回れば、行使できない。

[ 2014年5月26日 ]
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