アイコン Mg電池時代突入 古河電池と凸版印刷、紙製容器の非常用マグネシウム空気電池開発

 非常用マグネシウム空気電池古河電池と凸版印刷は、世界初となる紙製容器でできた非常用マグネシウム空気電池『マグボックス』を共同で開発したと発表した。2014年12月中旬に古河電池より発売開始する。

  災害時の最も重要な問題の一つに、携帯機器の電池切れによる情報の遮断がある。東日本大震災の被災地(福島県いわき市)に立地する企業である古河電池は、 震災時に得た「何が本当に必要だったのか?」の経験を活かし、避難所などに設置して、簡単に多数の携帯機器へ電力を供給できる電源を凸版印刷と開発してき た。

非常用マグネシウム空気電池『マグボックス』は、マグネシウムを負極物質、空気中の酸素を正極物質とし、水や海水を投入して発電させる電池。

大容量かつ長期間保存可能で、非常時に水を入れるだけで、多くの携帯機器に電力を供給することができる。
負極に用いるマグネシウムは塩水に溶けやすく、原子が放出する電子の量も多いため発電効率が向上する。
また、正極で酸素の反応を活性化させる触媒として従来はプラチナやレアメタルを使用していたが、古河電池の独自技術により、レアメタルを使用しない酸素還元触媒を使用することでコストを削減した。
また、構造に関し、マグネシウム空気電池は外部の空気を取り入れるため、水密構造を維持して大型化するのが困難だった。古河電池と凸版印刷は、両社の既存技術を融合させ、電解液が漏れにくく、かつ実用的な容量を確保する構造を実現した。
さらに、使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、環境に配慮した紙製容器を使用している。
なお、古河電池は『マグボックス』の開発・製造・販売を行い、凸版印刷は『マグボックス』の紙製容器である、セル外装材ならびに外箱の開発・製造を行った。

1.商品名
 非常用Mg空気電池『マグボックス』
2.商品特長
 (1)水や海水を入れるだけで発電
 (2)スマートフォンなどUSB機器の充電に最適
 (3)大容量!スマートフォンを最大30回充電
 (4)USBタイプの出力端子を2個装備
 (5)世界初の紙製容器でできたマグネシウム空気電池
  (使い捨て電池として使用後の廃棄が容易となるよう、紙製容器を使用)
 (6)騒音を発生せず、また発電時に二酸化炭素を発生しない環境に配慮した電池
 (7)新開発のリセットスイッチにより確実なオンオフ動作が可能(特許出願中)
3.電池仕様
 発電時間最大:5日間
 最大電気量:300Wh
 寸法:233×226×226mm
 重量約:1.6kg(注水前)約3.6kg(注水後)
4.USB仕様
 出力電圧DC:5.0V
 最大電流:1.2A
5.発売日
 2014年12月中旬発売予定
6.販売先
  主に県市町村など地方自治体向けに販売予定

空気マグネシウム電池、マグネシウム・空気電池、またはマグネシウム燃料電池(MAFC)は空気電池および燃料電池の一種であるが、この分野では、東北大学未来科学技術共同研究センター小濱泰昭教授らと古河電池、産業技術総合研究所などのグループはすでに、マグネシウム電池搭載の3輪電気自動車(EV)の走行実験を行い成功させている。
また、Mgを再生することで循環してエネルギーを発生させる技術の研究では、東京工業大学の矢部教授らが有名。

 

[ 2014年8月30日 ]
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