アイコン 9月の消費者物価指数と日銀  原油大幅安

9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除いたコアCPI)は2ヶ月連続で伸びが鈍化した。原油価格の下落が上昇率を押し下げた。
総務省が31日発表した9月の全国コアCPIは、前年比で3.0%上昇。プラスは16ヶ月連続。
日銀は、消費増税がフル転嫁されればコアCPI前年比を2.0ポイント押し上げると試算しており、これを除くと9月は1.0%上昇と前月(1.1%上昇)を下回った。
日銀は、同日午後、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表し、実質国内総生産(GDP)成長率とコアCPI前年比の2016年度までの見通しを示す。
世界経済の先行き不透明感が強まる中、原油価格が大きく下落しており、日銀の物価見通しにどのように反映されるかに注目が集まっている。

日本銀行の黒田東彦総裁は、7月15日の会見で、コアCPI前年比(消費増税の影響を除く)は夏場にかけて「1%台を割るような可能性はない」と言明。1%台を割り込んだ場合の政策対応についての質問に対しては「月々の変動があるので、すう勢をよく見る必要がある。いずれにしても、1%を割る可能性はないと思っている」と述べていた。

円安大きく上回る原油安の物価押し下げ圧力
SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは発表後のリポートで、コアCPIについて「早ければ10月、遅くとも11月には1%割れとなる見込みだ。
日銀は今回の展望リポートで、原油安を理由に物価見通しを下方修正する可能性がある」と指摘した。
アジアに出荷される原油価格の指標となるドバイ原油は、6月のピークから25%下落し、物価の下押し圧力はこの間進んだ円安(6%)による押し上げ効果を当面大きく上回る。
先行指標とされる東京都区部の10月中旬速報は、コア指数が同2.5%上昇と18ヶ月連続で上昇した。ただ、伸び率は前月(2.6%上昇)を下回った。
日銀は消費増税がフル転嫁されれば東京都区部のコアCPIを1.9ポイント押し上げると試算しており、これを除くと10月は0.6%と前月(0.7%上昇)を下回った。

関係者によると日銀は、展望リポートでコアCPI前年比が今年度後半から再び上昇傾向をたどるという見通しを取り下げることを検討するとともに、今年度と来年度の物価見通しを小幅引き下げるかどうかも議論するとしている。
展望リポートでは、15年度の物価見通しを、これまで1.9%上昇に据え置かれてきたが、10月あるいは来年1月の中間見直しのいずれかの時点で、小幅下方修正すると予想され、日銀が、金融政策により、短期的に追加緩和に踏み切る可能性が高いとしている。
以上、ブルームバーグ参照
 原油安は、円安で相殺され、ガソリン価格の庶民への還元は、その半分以下しかメリットを与えていない。

9月の消費者物価指数と日銀  原油大幅安

 

[ 2014年10月31日 ]
スポンサード リンク

 

コメントをどうぞ

関連記事

  • この記事を見た人は以下も見ています
  •  
  • 同じカテゴリーの記事です。
  •   


PICK UP

↑トップへ

サイト内検索