アイコン 水素エネルギー革命 液化水素設備を開発・商品化へ/川崎重工

水素エネルギー川崎重工業は19日、環境負担が少ない水素を液化する設備を開発したと発表した。燃料電池車(FCV)の燃料などになる水素の体積を800分の1に縮小し、大量輸送しやすくする。
2016年度に商品化し、水素を製造する石油化学や液化天然ガス(LNG)プラントなどに供給する。日本メーカーが開発するのは初めてとなる。
同社は、産業用では初となる純国産独自技術の水素液化システムを開発し、水素液化試験を開始する。
今回開発した水素液化システムは、播磨工場(兵庫県加古郡播磨町)内の水素技術実証センターに設置され、1日あたり約5トン(FCVでは1000台分相当)の水素を液化する能力を有している。

本システムは、水素液化機、液化した水素を貯蔵する液化水素貯蔵タンクなどで構成されている。本システムは、純国産の独自技術で開発したもので、同社が保有する極低温物質のハンドリング技術や高速回転機械の開発で培ったタービン技術が活用されている。

同システムでは、圧縮した水素ガスを冷凍サイクルで冷やされた水素と液化機内で熱交換しながら冷却することで液化水素を製造。試運転で液化水素の製造が確認され、これにより本格的な性能評価試験へと移行する。
本試験では、水素液化システムの製品化に向けて、性能や信頼性、保守性などを確認するとともに技術改良を行っていく。また、水素エネルギーの普及に向け、より大型で高効率な液化システムの開発に取り組み、水素インフラ市場での優位性を確保していくとしている。

水素は、「究極のクリーンエネルギー」と呼ばれ、将来のエネルギーの中心的役割を担うことが期待されている。年内にトヨタ自動車から燃料電池自動車の販売開始が予定されるなど、水素利用の飛躍的な拡大が予想される一方、水素を市場に大量導入するためには、効率的な輸送・貯蔵システムの確立が不可欠となっている。水素は液化すると体積が約800分の1になり、利用の際は蒸発させるだけで高純度の水素ガスが得られることから、同社は、液化水素を中心とする水素サプライチェーンの構築に取り組んでいる。
また、同社は、水素の大量導入を支える水素の製造、輸送・貯蔵および利用までの一貫したサプライチェーン構築に向け、必要となるインフラ技術の開発・製品化に取り組んでいる。FCVに燃料を供給する水素ステーションまで専用のタンクローリーで大量運搬を可能にする。

FCV向けや工業用水素発電の実用化などに伴い、国内で水素が大量消費される時代がくるのに備えて、液化設備を迅速に供給する体制を整える。

具体的には、大量輸送・貯蔵の入口であり鍵となる水素液化システムのほか、液化水素運搬船や液化水素貯蔵タンク、さらには水素燃料に対応したガスタービンなどの開発および製品化を推進している。
原油からは、各化学産業が発展している。また、精製された重油やガソリンなどは、自動車や発電用のエネルギーになっている。また、天然ガスは、火力発電や家庭用コンロの熱エネルギーとなっている。しかしながら、ほとんど輸入に依存した両エネルギーとも国際価格に左右され、高騰や下落を繰り返しているものの、新興国の需要増から今後とも価格が上がり続けることが予想されている。また、両エネルギーとも大気汚染の環境問題を払拭することは困難でもある。

省資源国の日本は、そのエネルギーに水素利用を大きく発展させる計画である。現在のところ液化水素は石油精製の副産物として取り出されているものの、大量に未商品化状態にもある。水素は、究極には水や海水からも取り出せる。天文学的な環境にやさしい資源である。
現在は、貿易問題から否応に輸入しているエネルギーもあり、30年も経てば、殆どの国々で貿易障壁は取り除かれていると思われ、貿易摩擦問題もなくなり、将来的に低コストの水素エネルギーが発電から車まで動かすことになる。(石油は化学産業に必要だが、天然ガスは将来的に必要なくなる)

 

[ 2014年11月20日 ]
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