アイコン 7月の貿易収支 4ヶ月連続赤字 為替20.9%円安下

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財務省が発表した7月貿易統計速報によると、貿易収支(原数値)は▲2,681億円の赤字となった。消費低迷・原油価格の低下で輸入の減少傾向が続く一方、円安による輸出の増加で、貿易赤字額は前年同月の9,665億円から大幅に縮小した。赤字は4ヶ月連続。

ただ、為替超円安政策による輸出増により経済回復を図る国のシナリオは、輸出の伸びが為替安分を吸収しておらず、経済回復の起爆剤には程遠い。たまたま原油価格が半減したことで、貿易赤字額は以前より縮小しているが、ドルベースでは輸出額が前年同月比で大きなマイナスとなっている。
為替:平成27年7月123.01円/ドル、平成26年7月101.73円/ドルで、対前年同月比:20.9%の円安。
・・輸出企業がその生産を海外にシフトし、超円安になって世界市場で価格競争力も持ったところで、輸出数量は2010年より▲6.2%減少している。そのため、前年同月比較で約20%の円安効果をもたらさず、7.6%の増加にとどまっている。

2015年7月の輸出
/億円
前年増減率
輸出額
備考
米国
18.8
13,408
11ヶ月連続増
EU
10.0
7,118
8ヶ月連続増
アジア
6.1
35,346
5ヶ月連続増
中国
4.2
11,797
5ヶ月連続増
総計
7.6
66,638
11ヶ月連続増
為替:2014年7月平均101.73円/ドル、2015年7月123.01円、20.9%円安。
 
<中国・アジア経済低迷などによる輸出の停滞、回復シナリオに危うさ>
先行きについて財務省は、世界経済に大きなショックがあれば、時間をおいて貿易収支に反映される。これまでのところ急激な変化は起こっていないとしながらも、中国経済を含め「各国経済動向を引き続き見守るとしている。・・・バカにした内容だ。

<輸出数量ベースでは2カ月ぶり減、対中輸出「減速感」映す>
輸出は前年比7.6%増の6兆6638億円。11ヶ月連続で増加した。円安が金額ベースの押上げが寄与したが、数量ベースでは、同0.7%減と2ヶ月ぶりに減少、足踏みが続いている。

地域別でも金額ベースでは、米国向け輸出が前年比18.8%増、中国向け輸出同4.2%増と堅調だったが、数量ベースではいずれもマイナス。
とりわけ中国は、数量ベースでは同▲1.3%減と6ヶ月連続で減少。自動車・自動車部品が振るわなかった。(日系自動車メーカーは、中国で現地内製化を進めており、また、生産車種も増加させ、日本からの輸出は減っている。)

品目では、自動車(9.6%増)、船舶(33.7%増)、半導体等電子部品(9.0%増)などが増加した。

為替レート(税関長公示レート平均)は1ドル123.01円で、対前年比20.9%の円安だった。

<輸入は7ヶ月連続減、原油価格低下で>
輸入は、原油安と消費不況により、同▲3.2%減の6兆9318億円。7ヶ月連続で減少。
特に輸入原粗油単価は前年比▲30.8%低下の4万9413円/キロリットルで、ドルベースでは同42.8%低下の63.9ドル/バレルだった。(超円安政策で原油安が相殺され、半分しか原油安を享受していない)

品目では、原粗油(▲24.6%減)のほか、液化天然ガス(▲40.7%減)、石油製品(▲33.4%減)などが減少した。一方、通信機は92.8%増と大幅に増加した。
[ 2015年8月20日 ]
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