倒産危機VW トヨタとの熾烈な世界一競争 販売比較表 世界・アメリカ・中国
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VWは中国事業を急成長させ、世界一のトヨタを追い越せと 猛烈な勢いで売上台数を増加させてきた。VWでは当初、2018年にトヨタを追い越すことを計画したが、中国での急増に2015年をターゲットとした。ト ヨタは米国での品質問題により販売台数を追わず品質重視に傾注、3年間新工場の凍結を図り、2015年4月になり、やっとメキシコ工場の建設と中国工場の 増設を発表した。
<中国伸びの陰りと焦り>
しかし、VWは、中国経済の低迷と修理のインチキ行為による高額請求が中国国営TVの超人気番組で今年3月取り上げられ、販売台数の伸びは失速した。(昨秋、中国で新たに2ヶ所の工場建設を発表している)
そうしたことから大きく後塵に甘んじているアメリカ市場での販売台数を伸ばす方策に転じ、今春、アメリカに工場を建設する計画も発表していた。
(実際の順位は3位のGMが世界№1、VWがGMの販売台数の計算根拠にクレームをつけ、過半数の株を有していない上海五菱GMの120万台超(GMブランド販売)の販売台数を削除させたことによるもの)
以上のことから、開発チームにとって相当なプレッシャーがかかっていたと見られる。
VWはダウンサイジングエンジンで欧州勢を引き込み、それまで環境対策車として優位に展開していたトヨタ・ホンダのHVに対抗し、現行、勝利しているが、動力性能や燃費で圧倒的な差をつけようとしたところに今回の問題を包含したものと見られる。
当然、経営者の問題でもある。
<豪腕と辣腕>
20年以上VWに君臨してきたオーナー一族のフェルディナンド・ピエヒ会長、豪腕経営者として知られ、敵対的買収を含め買収を進め、今では12社の自動車メーカーを傘下におさめている。
しかし、今年4月、技術畑のウインターコルン最高経営責任者(CEO)との確執が表面化、取締役会(監査人会)で敗れ退任に追い込まれた。
新会長になったウインターコルン氏にしても、技術畑にそぐわない辣腕経営者として知られていた。そのウインターコルン新会長も4ヶ月して、今回の問題により引責辞任した。
こうした経営陣の世界№1の名誉欲によるトヨタ越えのスピードに、開発チームの開発スピードが遅れ、今回の問題を生じさせたものと見られる。
なお、ウインターコルン氏は、辞任したことでVWから2860万ユーロ(約38億円)の年金を得ることができ、昨年にはVWと過半数株主のポルシェSEから計1660万ユーロ(約22億円)の報酬を受け取っていた。
今回の問題で、こうした高額報酬が経営責任も問われ、槍玉に上がる可能性も高い。
VWはダウンサイジングエンジンで欧州勢を引き込み、それまで環境対策車として優位に展開していたトヨタ・ホンダのHVに対抗し、現行、勝利しているが、動力性能や燃費で圧倒的な差をつけようとしたところに今回の問題を包含したものと見られる。
当然、経営者の問題でもある。
<豪腕と辣腕>
20年以上VWに君臨してきたオーナー一族のフェルディナンド・ピエヒ会長、豪腕経営者として知られ、敵対的買収を含め買収を進め、今では12社の自動車メーカーを傘下におさめている。
しかし、今年4月、技術畑のウインターコルン最高経営責任者(CEO)との確執が表面化、取締役会(監査人会)で敗れ退任に追い込まれた。
新会長になったウインターコルン氏にしても、技術畑にそぐわない辣腕経営者として知られていた。そのウインターコルン新会長も4ヶ月して、今回の問題により引責辞任した。
こうした経営陣の世界№1の名誉欲によるトヨタ越えのスピードに、開発チームの開発スピードが遅れ、今回の問題を生じさせたものと見られる。
技術畑のウインターコルン氏もピエヒ会長に推挙されCEOになった経緯もあり、技術開発部門を省みる余裕も持ち合わせていなかったようだ。
<高額報酬>なお、ウインターコルン氏は、辞任したことでVWから2860万ユーロ(約38億円)の年金を得ることができ、昨年にはVWと過半数株主のポルシェSEから計1660万ユーロ(約22億円)の報酬を受け取っていた。
今回の問題で、こうした高額報酬が経営責任も問われ、槍玉に上がる可能性も高い。
<VWとTOYOTAの世界販売台数推移>
両社の世界販売台数推移/万台
|
||||
|
VW-G
|
TOYOTA
|
||
2010年
|
714
|
13.7%
|
842
|
8.0%
|
2011年
|
816
|
14.3%
|
795
|
-6.0%
|
2012年
|
928
|
12.2%
|
975
|
35.0%
|
2013年
|
973
|
6.9%
|
1,013
|
4.5%
|
2014年
|
1,014
|
4.2%
|
1,023
|
3. 0%
|
2015年(上半期)
|
504
|
-0.5%
|
502
|
-1.5%
|
2011年のトヨタは3月の東日本大震災と秋のタイの大洪水でサプライチェーンが寸断され、生産台数および販売台数が落ちたことによる。
<アメリカでの両社の販売台数>
|
アメリカでの販売台数/台
|
|||
|
VW-G
|
YOYOTA
|
||
2010年
|
383,779
|
21.5%
|
1,763,595
|
-0.4%
|
2011年
|
470,986
|
22.7%
|
1,644,661
|
-6.7%
|
2012年
|
612,486
|
30.0%
|
2,082,504
|
26.6%
|
2013年
|
608,088
|
-0.7%
|
2,236,042
|
7.4%
|
2014年
|
595,988
|
-2.0%
|
2,373,771
|
6.2%
|
2015年(8月累計)
|
403,013
|
2.6%
|
1,673,002
|
2.8%
|
<中国での両社の販売台数>
中国でのVWとTOYOTAの販売台数
|
||||
|
VW-G
|
TOYOTA-G
|
||
/万台
|
/万台
|
前年比
|
/万台
|
前年比
|
2010年
|
192
|
|
84
|
19.0%
|
2011年
|
225
|
17.2%
|
88
|
4.7%
|
2012年
|
317
|
40.9%
|
84
|
-4.9%
|
2013年
|
327
|
3.1%
|
91
|
9.2%
|
2014年
|
368
|
12.5%
|
103
|
12.5%
|
2015年(上半期)
|
174
|
-3.9%
|
51
|
10.1%
|
・東日本大震災2011年3月、尖閣反日暴動2012年9月
|
参考<アメリカでのVWグループ販売台数>
アメリカでのVWグループ販売台数
|
||||||||
|
VW-G計
|
VW
|
アウディ
|
ポルシェ
|
||||
2010年
|
383,779
|
21.5%
|
256,830
|
20.3%
|
101,629
|
22.9%
|
25,320
|
28.6%
|
2011年
|
470,986
|
22.7%
|
324,402
|
26.3%
|
117,561
|
15.7%
|
29,023
|
14.6%
|
2012年
|
612,486
|
30.0%
|
438,133
|
35.1%
|
139,310
|
18.5%
|
35,043
|
20.7%
|
2013年
|
608,088
|
-0.7%
|
407,704
|
-6.9%
|
158,061
|
13.5%
|
42,323
|
20.8%
|
2014年
|
595,988
|
-2.0%
|
366,970
|
-10.0%
|
182,011
|
15.2%
|
47,007
|
11.1%
|
2015年
|
403,013
|
2.6%
|
238,074
|
-2.8%
|
130,063
|
12.1%
|
34,876
|
9.8%
|
2015年は8月までの累計
画像はオートックワンのHPより
[ 2015年9月26日 ]
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