アイコン 続、完売物件「ル・サンク小石川後楽園」建築確認取り消し問題 NIPPO

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2015年12月、東京都文京区にある高級マンション。待ちに待った入居寸前になって、購入者全員に、契約の解除が申し渡された。参加者の怒りが爆発した説明会。問題となっているものは、文京区の静かな住宅街の中に、完成間際で佇んだままの地上8階建てマンション。

全107戸、販売価格5,000万円台~2億6,000万円までの高級マンションという高級マン
ション。 設計も天下の日建設計の直系子会社日建ハウジングシステムが担当している。
都内にあって、閑静な文教地区。周辺環境も魅力の地であったが・・・。


スクロール→
「ル・サンク小石川後楽園」の建築概要
所在地
東京都文京区小石川2丁目3番1(地番)
交通
東京メトロ南北線「後楽園」駅(8番出口)徒歩2分
東京メトロ丸ノ内線(4a出口)「後楽園」駅徒歩4分
都営三田線・大江戸線「春日」駅(6番出口)徒歩3分
敷地面積
4,346.38m2、(売買対象面積)、        
4,341.76m2(建築確認対象面積)
用途地域
第一種中高層住居専用地域、準工業地域
建築延床面積
13,377.67m2
総戸数
107
専有面積
1LDK~4LDK、                                              55.49m2~151.09m2(HANARE15.06m2含む)
販売
平成26年10月上旬予定
入居
平成28年2月中旬予定
構造・規模

地上8階地下2階建(パンフ上は地上9階地下1階建)

売主(事業主)
NIPPO・神鋼不動産
販売
三菱地所レジデンス(販売代理)                    野村不動産アーバンネット(販売代理)
施工
安藤・間
設計
日建システム(日建設計の100%子会社)
建築確認番号
第UHEC建確24185号(平成24年7月26日)、                           第UHEC建確24185変1号(平成26年3月12日) 、
建築確認機関
(株)都市居住評価センター 
注意事項
文京区が平成26年3月17日に施行した「絶対高さ制限を定める高度地区の指定」に伴い、将来当マンションと同一の高さの建物は建築できない。但し、諸条件を満たした場合、1回に限り建替えができる。


<完成間際に建築許可取り消し処分>前代未聞
このマンションが大きな問題に。
このマンションは、全戸完売にもかかわらず、契約解除という、異例の事態になっている。すで
に全戸完売している。
2016年2月には、入居となっていたにもかかわらず、売り主からの 一方的な契約解除という異常事態になった。
そのきっかけとなったのは、都知事の付属機関である東京都建築審査会が(2015年)11月2日に下した 建築確認を取り消す決定だった。
11月末に行われた住民説明会では、一方的な通告に、購入者の怒りは爆発した。
マンション購入者からは、
「前代未聞の裁決が下りたということは、前代未聞のひどい建築物を造ったということ」、
「ふざけるなよ! 自分がこの立場だったら、どうなの」、
「何千万、何億ですよ。100円のジュース買ったんじゃないんですよ」、
「形を示してください、 誠意を!」
などの声が上がった。
中には、入居前に、現在の家を売ってしまった男性も。 自宅を売った男性は、「2月からですね、住まいがないんですけど、わたしは、どこに 住めばよろしいんでしょうか」と話した。
今回の決定は、まさに、新居への期待を絶望に変えるものだった。
マンションを購入した60代夫婦は、「落胆ですね。われわれも、年齢なので、ある程度、ついのすみかで考えてましたので。大げさに言えば、人生設計が狂ったような感じ」と話した。

<問題は高低差のある避難スロープ>
この高級マンションに、いったい何があったのか。
その原因は、駐車場にあった。通常、マンションでは、建物1階など、直接外につながっている階を「避難階」といい、 避難階以外のフロアには、緊急時に外へ出るための避難階段を設けるよう、東京都建築安全条例で定められている。
ところが、このマンションでは、駐車場を避難階としていた。
しかし、駐車場から外に出るためには、段差およそ2.5メートルのスロープを上がらなければ いけないため、建築審査会は、駐車場を避難階ではないと判断した。
そのため、このマンションが、違法建築とされた。 周辺住民側の日置雅晴弁護士は、「傾斜路で出てますから、例えば、車いすの方が駐車場で火災等にあったときに、避難できるかというと、避難できない。出られればいいというわけではなく、一定の基準を満たした避難ができるかどうか」と語った。
まさかの事態に、購入者からは、「一番問題なのは、そもそも、これだけもめてるところを、正確に購入者に伝えてなかったところ」との不満も聞かれた。
今回の問題の背後には、長年にわたる、あるトラブルがあった。 建築計画が持ち上がった2004年から、建物が、街の景観に合わないとして、周辺住民が、何度も建築確認などの審査を請求していた。
建築反対派の周辺住民は、「もうちょっと低いマンションであった方が良かったですし、この(マンション前の)堀坂っていうのは、本当に、子どもと年寄りがよく使う道なので、その坂の真ん中に駐車場の入り口を作る計画でしたので、反対だと考えております」と話した。

購入者側は、そうしたトラブルが続いていたにもかかわらず、建築主も、販売会社も、自分たちに、きちんと説明をしていなかったと主張。 購入者の怒りは、販売の窓口となっていた三菱地所レジデンスへ。
マンション購入者は、
「あれだけ細かい問題点がリストにされたけど、あなたの会社は聞いていたの?」
三菱地所レジデンス担当者
「すみません。わたしどもも、今回の事象が起きて、こういった事情は知りました」
「なんで大丈夫って言ったんですか!」 不満が収まる気配がない、今回のトラブル。
こうした購入者の声にどう応えるのか。
わたしたちの取材に、建築主である「NIPPO」は、「建築確認申請に関しましては、慎重に作業を進めてきたものでございますので、取り消しという判断がなされたことについては、全く遺憾です。
今後の対応については、検討を進めている段階で、解答は控えさせていただきます」と回答した。
閑静な住宅街に建つマンションは、解決のめどが立たないまま、冬を迎えようとしている。.
以上、報道参照

 ル・サンク小石川後楽園の看板はまだあるといい、事業主は、購入契約者に対して購入額の20%を保障し解約したという。当然、事業主としても、許可取り消し物件であり、購入者を入居させるわけにはいかず、解決のめども立たず、一旦解約。今後NIPOOは、裁判で争うことになるだろうが、日本の司法制度での裁判で争えば長期間に及び、物件がボロボロになり、商品価値が下がってしまう。しかし、早期に解決すれば、都心の一等地のマンションはまだ値上がり続けていることから、1年以内に販売すれば、損失は免れるどころか利益も出る。そのためには、問題となった部分を解消する必要がある。NIPPOもなんらかの方法で、避難路の高低差をなくすしかない。
都知事の付属機関である東京都建築審査会という行政を怒らせてもろくなことはない。設計図書により建築許可を出した行政の区側=都の責任でもあり、双方が折り合いが付くような改修工事をなして、NIPPOは改めて販売するしかないだろう。
 どこの世にも何でも反対するおばさんたちはいるものだ。

東京都建築審査会を批判した東京建築士会のコメント
http://www.tokyokenchikushikai.or.jp/topics/2015/12/714/

経緯
2001 富士銀行社宅跡地を都市基盤整備公団(現UR)が購入
2003.10 日本鋪道(現・NIPPO)と神戸製鋼所不動産カンパニー(現・神鋼不動産)が共同で当該土地を購入
2004.7 東京建築検査機構に建築確認申請、翌8月に建築確認が下りる
2004.11 近隣住民が東京都建築審査会に審査請求
2005.6 東京都建築審査会の裁決により建築確認取消し
(理由:1.自動車車庫出入口の道路(堀坂)幅員が6mに満たない2.西側メゾネット住戸が一の建築物に当たらない。)
2008.8 NIPPOと神鋼不動産が文京区長に開発許可を申請
2009.3 文京区長が開発許可(1.堀坂6mに拡幅 2.共同住宅)
2009.5 近隣住民が東京都開発審査会に開発許可の審査を請求
2009.8 文京区長が開発変更を許可
2009.8 近隣住民が東京都開発審査会に開発変更許可処分の審査を請求
2009.9 東京都開発審査会が開発許可の審査請求を棄却、開発変更許可処分の審査請求却下
2010-11 数度の説明会と近隣住民の開発許可取消訴訟
2012.4 文京区長が開発変更を許可
2012.7 都市居住評価センターに建築確認を申請、建築確認が下りる
2012.9 近隣住民が東京都建築審査会に建築確認の審査請求
2013.2 工事開始
2014.2 都市居住評価センターに変更確認を申請、翌3月変更確認
2014.3 文京区絶対高さ制限導入(当該土地は22m上限となる)
2014.7 ル・サンク小石川後楽園販売開始
2015.4 ル・サンク小石川後楽園完売
2015.9 東京都建築審査会が建築確認の執行停止
2015.11 東京都建築審査会が建築確認取り消し
2015.12 当完売物件の購入契約者全員に対して解約。
以上、ネット掲載分参照
 

[ 2016年2月13日 ]
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