藤岡 信勝
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都知事選挙に小池百合子氏が、７月６日、正式に立候補表明した。一週間前の６月２９日に立候補の意向表明をした時、教科書運動の同志であるつくる会東京支 部のある会員から、メディアの報道のバイアスなしに、小池氏の記者会見を観てほしいというメールが来て、リンクがついていた。それで、３０分ほどの記者会 見の動画を観た。その結果、私の結論は、都知事として小池氏が現在考えられる最善、最強の候補であろうということだった。
　それから一週間、自民党の候補者選びを見ていて、この党のダメさ加減がつくづく感じられた。自民党の都連は、小池氏は絶対ダメで、代わりに元岩手県知事 の増田寛也氏を担ぎ出すという。他県の知事のお古を首都の東京の知事にもって来るなど、何の新味もなく、最悪である。増田氏は東京の予算を地方に回せと主 張していて、何と『東京消滅』という著書まである。『東京消滅』という本を書いた人物は東京都知事にはなり得ないし、してはなるまい。

　増田氏は実務経験が豊かだという触れ込みだが、知事時代県財政に大きな赤字をつくったそうだ。土建屋の利権のために予算を使いすぎたのであろう。背後に 誰がいるかもわかりやすい。そして、何よりも舛添氏以上の親韓派で、恒常的に電力不足に悩む韓国に電気を直接送電するという「日韓グリッド構想」の提唱者 だそうだ。都有地を韓国の学校に提供するなど当然やるだろう。
　自民党都連会長の石原伸晃氏は、増田擁立に奔走しているが、どうしてそんなに増田氏がいいと思うのか、不思議だ。第一、石原氏は増田氏に一度も会ったこ とがないと言っている。すでに手を挙げた同僚議員を排除するために、会ったこともない人物を押すとは、不見識も甚だしい。要するに誰かのパシリということ ではないか。

　小池氏の出馬意向表明の会見を観て支持する気になった理由は、①２０２０年の東京オリンピックで世界の客人を迎える日本の首都・東京の顔として適任であ り、小池氏はその役を軽々とやりこなす資質、能力、経験を有している。女性知事というのも受けがよいのではないか。②記者から韓国学校のために都有地を提 供するという案件について質問されると、間髪を入れずに「白紙に戻す」と答えた。これを評価する人は多いだろう。③アイディアウーマンであり、キャスター の経歴からも、メディア対応が出来る能力がある。これは現代の政治家に欠かせない資質だ。１９９９年９月２１日、台湾中部で大地震が起きたとき、当時の総 統李登輝さんのもとに真っ先に駆けつけ、李登輝総統が現地に向かうヘリコプターに小池ゆり子議員は便乗して、阪神大震災で使用した仮設住宅を台湾に送るこ とを思いついたという。こういう政治的反射神経を備えているかどうかも重要だ。
　だから自民党はさっさと小池氏に乗ってしまえばよいのである。八幡和郎氏はフェイスブックで、自民党が小池百合子氏を都知事候補に決め、参院選の応援を させれば、東京の２議席は安泰で、全国区でも３議席くらい増やせたはずだ、という。自民党は絶好のチャンスを潰したことになる。日本の首都東京の自民党が 一番古くさく、一番遅れている。