アイコン ベトナム南沙諸島にロケット砲発射台配備 中国の埋立て軍基地化を牽制

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ベトナム政府が、南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島にロケット砲の移動式発射台を配備したと香港発で報じた。
領有権を争う中国が、同諸島に整備した滑走路、軍事関連施設を攻撃できるとしている。ベトナム政府、メディアは沈黙している。
ベトナムは、これまで中国が同諸島で進める軍事拠点化に対して、直接的な対抗措置は取ってこなかった。
(対抗措置を取らないズン首相を更迭したことから、内部体制の確立が最優先だったと見られる)
中国の主張を否定した仲裁裁判の判決が7月に出た後も軍事拠点化は止まらず、対抗する必要があると判断したもよう。
以上、ロイターが10日報道、( )書きはJC-NET記者記載。

<ベトナムの経過>
ベトナムでは今年4月、経済開放路線を急ぎ、中国に甘いとして、ズン首相が保守長老たちにより党の中央委員を除名され、2006年に就任した首相の座を失った。現在はフック首相が就任している。
ベトナムは、ベトナム戦争中にベトナムに近く実効支配していた西沙諸島から、軍事力で追い出され(南ベトナム軍艦が撃退された)、また、ベトナム戦争直後には、中国軍の侵攻にあい、ハノイ近郊まで攻め込まれ破壊しつくされ歴史を持つ。

まだ、軍や党の長老たちには、中国に対して敵対心や懐疑心が強く残っている。この間も西沙諸島近海で操業する漁船が攻撃を受けたり、沈没させられたりしてきた。
最近では、2014年5月、中国が西沙諸島のベトナム近海で原油の資源調査を行ったことから、ベトナムで反中の暴動が発生、ベトナム進出の中国企業の工場が被害を受け、中国人の死者も出た。

中国共産党系報道機関は、南沙諸島に42の島(環礁や岩礁)があり、全部中国のものだと主張している。中国の支配者にとって南シナ海を領有化するためには当然必要なことでもある。
しかし、実際は、そうした多くの島の領有権を、ベトナム・フィリピン・マレーシア・台湾などが島ごとに主張し実効支配している。下記図の真ん中星一つの国旗が示しているとおり。

中国は、後ろ盾もなく、軍事力もないフィリピンが支配していた島々からフィリピンを追い出し、実効支配し埋め立てている。こうした事態にフィリピンは、昨年米国と手を結び、フィリピン本土に基地を何ヶ所も提供している。

中国が南沙諸島でこれ以上ムチャをやれば、戦争も辞さないベトナムが実効支配している島々で対峙することになる。
アメリカはベトナムに対して今年5月武器輸出の全面解除を行っている。最新兵器に近いミサイルなども輸出解禁されているものと見られる。
中国が、南沙諸島で、これ以上荒波を立てれば、ほかの関係国と黙っておれず、軍事衝突の可能性が非常に高くなる。
日本にとっても南シナ海は、貿易の要のシーレーンであり、南シナ海の中国の領有化などまったく許されるものではない。
一帯一路戦略に基づく中国習の覇権主義の鼻をへし折るのは、多くの犠牲を伴おうがベトナムかもしれない。ベトナムは中国同様共産党の一党支配国家だが、中国は北朝鮮同様の独裁国家であり、まったく別物となっている。歴史にしても、ベトナムは太古の昔から漢民族の中国から侵略を受け続けてきた怨念もある。
中国は、尖閣に視点をそらすため大量の漁船団と警備艇を尖閣に派遣し、一方で、南沙諸島の埋め立てや構築物の建設に躍起になっている。

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南シナ海のジョンソン南礁に完成した一部7階建て施設(中央)と灯台(左)

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[ 2016年8月11日 ]
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