アイコン オスプレイは危険機か?その2 リスク管理が根本からわからない地元紙

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沖縄タイムスや琉球新報など読んでたら、頭にウジが湧きそうです。書いてる本人の頭の中もウジが湧いてるでしょう。

今日も(農と島のありんくりん)を読んで、沖縄を理解しましょう。

農と島のありんくりん
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/

移り変わる自然、移り変わる世情の中で、真実らしきものを探求する

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いまだに沖縄ではオスプレイが欠陥機であって、「落ちてくる」と思っている人が多いのは事実です。
今回も高江ヘリパッドに危険なオスプレイが飛来するようになる、というのが紛争の発端でした。
受け入れ自治体の首長も、「オスプレイの安全性が確認されたら」という言い方で言葉を濁しています。
しかし、少し落ち着いて考えてみませんか。
米軍が自国の青年の生命を危険にさらすような欠陥機を、大量に配備するかどうか。
そしてそんな「欠陥機」に米議会が予算執行を許すかどうか。
ありえません。予算削減に苦しんでいる米軍が、欠陥機と知りながら生産・配備を続けることなどありえません。
普天間基地にオスプレイが配備されたのは、CH46とCH53いう古くなった大型ヘリを更新したかったからです。
CH46も、CH53も今や立派な空飛ぶポンコツで、こんなものを飛ばしていると、いつ落ちるかわからないという心配が、米軍当局にあったからです。
現実にCH53は、普天間基地のフェンス脇の沖縄国際大学に墜落しました。

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この事故が普天間基地が市街地にあることの危険性を肌身で分からせたわけです。
だから、対策としては、普天間の市街地から、過疎の辺野古に移転することがひとつ。
そしてふたつめは、老兵の大型ヘリを新型に更新することでした。
しかし、このふたつの解決案に対して、反基地運動派は強く反対しました。
移設は「新基地建設であって、基地負担を増やすものであり、オスプレイは欠陥機だ」という主張です。
辺野古移設については私も懐疑的(※)ですし、将来的に海兵隊キャンプは削減されるべきなので無駄だと考えていますから、分からないわけではありませんが、オスプレイ批判は米軍批判の材料にはなりえません。※私はシュワブ陸上案を支持しています。
基地反対派は、基地問題と機体問題を意図的にすり替えて、かえって解決を遅らせてしまっています。
沖縄地元紙は大量に誤報道を流し続けました。
現実は、たしかにオスプレイはまったく新しいティルトローター機(※)なので、開発は難行し、その過程では多くの事故を起こしたが、いまは完全にトラブルは解消されていて、通常の大型ヘリより安全性が高いのです。
※ローター(プロペラに似た回転翼)を、機体に対して傾ける(ティルトする)ることができる機体。ヘリのように垂直離発着でき、飛行機のように高速で飛行できる。
これは、基地移設問題と違って極めて技術的なテーマであって、基地移設のようにオレはこう思う、いやこうもあるというテーマではないのです。
たとえば、2015年5月に、ハワイでオスプレイが訓練中に事故をおこした時に、琉球新報はまさに欣喜雀躍の有り様で、号外すら出しました。
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地元ハワイの新聞が騒がないのに、米軍の「空飛ぶトラック」が落ちて号外まで出す新聞は、間違いなく琉球新報ただ1社でしょうね。
オスプレイが事故を起こしたのは3年ぶりで、琉新はこれで「殺人機」であることが証明されたとばかりに、反基地闘争の燃料を投下したかったようです。
翁長氏は沖縄に落ちたわけでもないのに、待ってましたとばかりに飛行停止の声を上げていますが、あいにく米軍は至って冷静でした。

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翁長氏はこの事故後にわざわざハワイまで事故現場を見に行ったそうで、その執念に驚かされます。
まぁ、翁長氏が知事になれたのも、オスプレイのおかげでしたからね。
翁長氏はオスプレイ配備で仲井真氏のさらに左の位置を取ることで、共産党・社民党と手を握り、一気にクーデターにまでもっていったわけです。
オスプレイがなければ、いまでも自民党県連ボスあたりでくすぶっていたかもしれません。

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http://withnews.jp/article/f0141116002qq0000000000...

とはいえ、自治体首長としては異常なる情熱です。
オスプレイが核ミサイルを積む戦略爆撃機かなにかならば、これだけ騒ぐのも分からないではありませんが、しょせん輸送機です。
いわば、空飛ぶトラックか、バスです。
バスが事故を起こしたといって、外国の知事がわざわざ海を渡って現地視察に来るのを、ハワイ住民はどんな眼でながめていたのでしょうか。
それはさておき、問題はこれが、このオスプレイ固有の欠陥によるものか、どうかです。
もし固有の原因ならば、米軍は即刻、世界中で飛行する約200機以上の同型機を飛行停止措置にしたはずです。
しかし米軍の対応はこうです。
「在沖米海兵隊は19日、普天間飛行場の垂直離着陸型輸送機MV22オスプレイの飛行を中止せず、訓練などを続行した」(沖タイ2015年5月30日)。
お分かりになるように、訓練飛行はまったく停止されませんでした。米軍は重大な事故だと認識していないのです。
オスプレイは安い機体ではありません。一機が86億円(米国調達価格)もする高価なものです。
もし、ほんとうに機体の構造的欠陥が疑われるのなら、米軍は即時にオスプレイ全機を飛行停止にしたことでしょう。
さてこの2015年のハワイ事故の原因も特定できています。 土埃です。
ハワイの事故機が降りた着陸地点が土埃が立ちやすい地表だったことが、事故原因です。
ですから、、コンクリート舗装の滑走路で運用する普天間のオスプレイとは無関係だから、普天間で飛行停止する必要はなかったのです。
元々、オスプレイに限らず垂直離発着するヘリは、一般的に土埃に弱いという欠点を共有しています。
2003年にバクダッドに攻め上った米陸軍のAH64アパッチは、わずか1カ月間で実に17件もの墜落事故を起こしました。
この墜落原因は自分の機体が巻き上げる土埃の中にスッポリと入ってしまい、パイロットが自機の姿勢を制御できなくなる「ブラウンアウト」という現象です。
この現象は、ヘリパッドの外の不整地で起きやすいといわれています。
このハワイで落ちたオスプレイの場合、着陸アプローチ時に、自機の巻き起こしたダウンウオッシュ(※下向きに吹きつける風)によって巻き上げられた土埃で、パイロットが瞬間的にコントロール不能になったためです。
また、巻き上がった砂埃をエンジンが吸ってしまったために、左側エンジンがコンプレッサーストール(※)を起こしたために出力低下を起こしてしまいました。
※なんらかの理由でエンジンに入る気流が乱れ、異常燃焼や出力低下を起こす現象のこと。
後に事故機を調査したところ、ターボシャフト内部のファン・ブレードが大きく破損していたそうです。
原因が分かれば対策は容易です。
米軍は着陸地点を土埃の起きる地表を避け、ブラウンアウト時のホバリング(空中停止)時間を従来1分間としていたものを、その半分の35秒に短縮するように通達を出しました。
また、土埃がエンジンに進入しないようにメッシュを細かくするなどの対策を施して、以後このような事故は発生していません。
このように事故が起きれば、その原因を分析し、対策が実施されていきます。
それが工学的解決方法であって、「そら見ろ、欠陥機だ」と騒ぐのはあまりに非科学的に過ぎます。
何度も繰り返しますが、オスプレイは機械です。
機械は誤って使うと事故を起こし、正しく使えば事故を減らすことができます。
今回、高江にヘリパッドを作らせないと言っている基地反対派は、不整地にオスプレイを降ろすほうがいいということなのでしょうか。
そのほうがはるかに事故の確率は高まりますが。
ハワイ事故後、米軍は地元紙を呼んで、オスプレイのパイロットにレクチャーさせています。
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この時の沖タイの記事(2015年6月11日)は典型的なゼロリスク論です。
沖タイはレクチャーをしたパイロットが、「残念ながらこのような事故は完全には避けることはできない」と述べたことに関して、「事故を容認すると受け取れるような発言」と噛みついています。
沖タイさん、「事故を容認」もなにも、リスク管理というのは「事故を容認」、すなわち「事故は起こり得ることだ」が大前提なのですよ。
そんなリスク管理のイロハも知らないので、記事を書いているのですか。
だから、パイロットはあたりまえのことを、あたりまえに言ったまでです。
逆に、もし米軍が「事故は完全に避けられる。100%安全だ」と言ったなら、そのほうが嘘です。
エンジニアなどの工学系関係者は、「100%安全」という言い方を絶対に避けます。
「事故は起こりうる」ということを前提にして発想しないと、事故対策自体を構築することができないからです。
「絶対安全」論と「ゼロリスク」論というのは、一見真逆に見えますが、ひとつのありえない確率<ゼロ仮定>から生えた二本の奇妙な樹のようなものです。
一方は「事故は起きるはずがない」と言い、方や「少しのリスクもあってはならない」としていても、発想の根は一緒で、ありえない<確率ゼロ>から発想している点で、同類なのです。
こんな根本的なことすら分からないで、オスプレイ危険説をまき散らし続けている地元紙のほうが、世界的には「珍しい」のです。
※改題しました。

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[ 2016年11月 1日 ]

 

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