アイコン サムスン・スマホ 価格対応できず中国から工場撤退 中国企業に開発生産委託

 

 

サムスン電子のスマホは、アップルiPhoneと競う中、高性能・廉価、ネット販売で躍進する中国勢に、中国市場で押され、中国では0.の市場シェアまで落ちた。もはやサムスン電子の開発製造では価格対応できないことから、今期は廉価版「ギャラクシーA6s」の生産をフルコースで中国企業のWINTECHに一任、中国人に受け入れられるスマホの企画・デザイン・生産まで完全に委ねた(ODM生産)。
東南アジアやインド市場でも中国勢が圧倒してきており、市場を食われるサムスンとしては、黒字が出せない廉価版は、こうしたフルコース生産委託による自社ブランド販売を増加させるものと見られる。

そうした中、サムスンが中国で最後まで残していたスマートフォン工場の稼働を中断した。
中国モバイル市場でファーウェイ(華為技術)、OPPO、Vivo、シャオミなど現地メーカーがシェアを拡大する中、サムスン電子無線事業部が外注生産規模を本格的に増やすとみられる。

<中国事業の不振が影響、ODMで効率化>
サムスン電子によると、広東省恵州のスマホ工場の稼働が先月30日に中断した。6月に恵州工場の生産職勤労者を相手に希望退職者を募集したのに続く後続の措置。
恵州工場は<中韓国交正常化の1992年から稼働し、2017年には年間約6300万台の携帯電話を生産した。
今後、サムスン電子は中国で独自生産するよりも製造業者開発生産(ODM)方式を拡大する。アップルが自ら開発・設計したiPhoneを台湾フォックスコンで委託生産するのが発注者ブランドによる生産(OEM、EMS)方式なら、ODMは設計からデザイン、部品調達、組み立て・生産まですべてを下請け会社に委託する方式。

市場調査会社IHSマーケットによると、サムスンのスマホのODM比率は昨年の3%から今年は8%、来年は中国市場の特性に合う製品を速やかに供給するため20%まで増える見込みとしている。

サムスンのODMが年間スマホ販売量全体(約3億台)の3分の1(約1億台)まで増えるという見方もある。
ベトナムでサムスンが生産するスマホの大半もODMに変わる可能性があるという。
サムスン電子は昨年9月、サムスン電子のノ・テムン無線開発室長ら役員陣がWINTECH(ウィンテック)を訪問し、中国国内向けスマホのODMについて協議したという。
WINTECHは、スマホ年間生産9000万台の中国最大ODM専門会社。
2ヶ月後の昨年11月に中国市場に登場した30万ウォン台の「ギャラクシーA6s」は、WINTECHが開発-デザイン-生産まですべて引き受け、サムスンはギャラクシーブランドだけを付ける典型的なODMフォンとして販売された。

<部品会社は打撃が避けられないが…>
ODMの物量が増えるほど、中小企業が多い韓国部品会社は受注量が減少する。サムスン電子とともに海外に進出した会社であるほど、サムスンのODM物量増加の影響が大きくなるしかない。

2015年のギャラクシーS5の不振以降、サムスン電子は枠にメタル素材を使用し、デザインの面で大きな変化を図って回復した。
役員陣の多数が固執した着脱式バッテリーもメタル素材導入のため一体型に変更し、ギャラクシーS6は前作に比べてよく売れた。
この過程で慶尚北道亀尾などにあったプラスチック基盤の国内金型会社の大半を閉鎖した。

[ 2019年10月 2日 ]

 

 

 


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