創刊から150年を迎え、世界で最も影響力のある科学雑誌「ネイチャー」の編集長マグダレーナ・スキッパー女史。
自身も生命科学の研究者であるスキッパーさんは、昨年、ネイチャーの編集長に就任。長い歴史の中で、女性が編集長に就くのは初めてのこと。
ネイチャーが出版されたのは1869年。日本では、明治が始まった翌年。
それ以来、今日に至るまで、世界のさまざまな研究成果を掲載し続けてきている。
世界の科学の動向を見続けているスキッパー編集長の目に、日本の科学の現状はどう映っているのだろうか。

大きな功績の一方で進む“科学離れ”
「日本は、科学的な発見や技術開発などで世界にとって重要な役割を担ってきた」
スキッパー編集長がまず口にしたのは、これまでの日本の功績でした。
▼ アメリカ 5万2800
▼ イギリス 2万4300
▼ドイツ  7300
▼日本   4500
(今年4月5日時点 出典元:Scopus, Elsevier社)

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これは、この150年間にネイチャーに掲載された国別の論文数。世界でみても上位に位置する。
しかし、日本の科学は、論文の引用数が中国に抜かれるなど、国際的な地位が下がり続けている。

スキッパー編集長は、若者の“科学離れ”への危機感を口にした。
「研究者を目指す若者が減っていると聞いているが、それは危惧することだ。日本は、若者が科学の道を進むよう、促す必要がある」

<若者は海外で経験を>
日本と対照的に躍進を続ける中国では、多くの若い研究者が、欧米で実績を積み重ねたあと、母国に戻って科学の発展に貢献している。
「日本はもっと若い研究者が海外で経験を積むべきだ。海外に出ることが新しい視点を得られるチャンスであることを知る必要がある。若者が海外を目指せるよう促す仕組みが必要だ」
スキッパー編集長の指摘は、若い研究者だけでなく、日本の科学全体にも向けられている。
「いまの科学はより国際的になり、多様性が増し、複合的になっている。日本はもっと国際的になる必要がある。国内外で共同研究を増やし、新しい考え方や視点を取り入れていくべきだ」

ネイチャーは、2017年、掲載した特集の中で、日本の論文数がこの10年、停滞しているとしたうえで、「日本の科学研究が失速し、このままではエリートの座を追われかねない」と警告した。

その要因の一つとしてスキッパー編集長が指摘したのは、日本の研究予算の配分のあり方だった。
「日本は相対的には十分な予算があるが、近年、その額は増えていない。また、日本では特定の大学や研究機関に予算が集中する傾向がある。もっと多様な研究機関に、多様な研究者に、予算が配分されるべきだろう。それが、より健全な科学の発展につながると思う」

<リスクと失敗の許容を>
実際、日本では今、競争原理に基づいた研究費の割合が増えている。
スキッパー編集長は、確実な成果が見込めるものにばかり予算が配分され、「挑戦する姿勢」が損なわれているのではないかと案じている。
「科学は、なにがその先にあるかわからないものだ。最初から結果がわかっているなら、それは価値があるものではない。失敗の先に、予期せぬ発見があったり、当初は思いつかなかった新しい研究分野が広がったりするかもしれない。研究者には、挑み、ときには失敗をする余裕を与えなければならない。リスクをとることを許容しなければならない」

「自分の情熱と好奇心に従って自分の夢を追ってほしい。日本の新しい時代に、すべての日本の研究者が研究成果という花を咲かせられるように願っています」としている。
以上、NHK参照

<<質の高い論文数、中国躍進、日本激減―中国メディア>>
毎日新聞+レコードチャイナ参照
毎日新聞が6日報じた、日本の科学技術振興機構(JST)の最新の分析では、中国が近年発表している質の高い論文の数と研究領域が激増しており、その一方で日本の関連指標に明らかな減少が見られることが分かったと中国の科技日報が伝えている。

論文の被引用数は、一国の科学文献の他国もしくはその他の機関から認められる度合いを示す。被引用回数が多いほど注目度が高く、論文の水準も高いとされる。
JSTは、オランダの学術出版大手エルゼビアの論文データベースを使い、引用回数が近年の平均で上位10%に入る論文を分析した。

これらの論文の領域には、物理、化学、生命科学、コンピュータ、材料など151領域が含まれる。
分析によると、
中国は約20年前には上位5位以内に入るのは2領域のみだったが、
約10年前は103に急増し、
2017年には146に達した。
うち数学、工学、材料など71領域で首位を占めていた。

一方で。日本の5位以内の領域は激減している。
20年前と比べると、日本の5位以内の研究領域は83から18に激減し、
そして3位以内は2領域のみ。
日本の研究力が相対的に明らかな減少が見られることが分かる。

また分析によると、米国は一部の領域では中国に抜かれているが、依然として高い水準を維持しており、80領域で首位を占めている。全領域で上位5位以内に入っており、高い科学研究力を維持している。
以上、

大学の研究者たちが非正規雇用で研究している有様。40年後には4千万人も人口減少が確実視されているにもかかわらず、この国の政治家は目先に取り付かれ危機感0、何か狂い始めている。