〜電力効率2倍超、1200億円基金で企業導入を後押し〜
米アルファベット傘下のグーグルは、独自の人工知能(AI)半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」の第8世代モデルを発表した。AIの「学習」用と「推論」用の2種類を用意し、データ処理能力と電力効率を大幅に引き上げた。AI半導体市場で寡占状態にある米エヌビディアへの対抗姿勢を鮮明にするとともに、消費電力の増大というデータセンターの構造的課題の解決に動く。

■ 開発と運用の分業化、電力効率が競争の軸に
新たに投入するのは、AIモデルの学習に使う「8t」と、開発済みのAIを実際のサービスとして稼働させる推論に特化した「8i」の2機種だ。8tは最大9600個のチップを連結して運用可能で、前世代機に比べ電力当たりの性能を124%向上させた。8iも同117%の改善を達成している。
生成AIの普及に伴い、データセンターの膨大な電力消費が世界的な制約要因となりつつある。グーグルはシステム全体の高効率化を打ち出し、限られた電力枠の中での処理能力の最大化を狙う。特に、推論専用の8iは、自社の生成AI「Gemini(ジェミニ)」などの大規模言語モデルを低コストかつ高速に稼働させる戦略的な中核を担う。
グーグル、新AI半導体でエヌビディア猛追 推論特化型も投入