アイコン グーグル、新AI半導体でエヌビディア猛追 推論特化型も投入

Posted:[ 2026年4月23日 ]

〜電力効率2倍超、1200億円基金で企業導入を後押し〜

米アルファベット傘下のグーグルは、独自の人工知能(AI)半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」の第8世代モデルを発表した。AIの「学習」用と「推論」用の2種類を用意し、データ処理能力と電力効率を大幅に引き上げた。AI半導体市場で寡占状態にある米エヌビディアへの対抗姿勢を鮮明にするとともに、消費電力の増大というデータセンターの構造的課題の解決に動く。

Google AI

■ 開発と運用の分業化、電力効率が競争の軸に
新たに投入するのは、AIモデルの学習に使う「8t」と、開発済みのAIを実際のサービスとして稼働させる推論に特化した「8i」の2機種だ。8tは最大9600個のチップを連結して運用可能で、前世代機に比べ電力当たりの性能を124%向上させた。8iも同117%の改善を達成している。

生成AIの普及に伴い、データセンターの膨大な電力消費が世界的な制約要因となりつつある。グーグルはシステム全体の高効率化を打ち出し、限られた電力枠の中での処理能力の最大化を狙う。特に、推論専用の8iは、自社の生成AI「Gemini(ジェミニ)」などの大規模言語モデルを低コストかつ高速に稼働させる戦略的な中核を担う。



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■ 「脱エヌビディア」へ、垂直統合の強み
世界のAI開発企業は現在、エヌビディア製の画像処理半導体(GPU)の確保に奔走している。そうした中、グーグルは自社のクラウドやソフトウェアに最適化した専用設計のTPUを自社開発する「垂直統合型」のアプローチを強めている。

半導体から冷却設備、ネットワーク網に至るまでデータセンター全体を自社で設計・最適化することで、他社製GPUに依存するクラウド競合他社に対して、インフラ構築の安定性とコスト競争力で優位に立つ構えだ。

 

■ 1200億円の基金で顧客開拓を加速
ハードウェアの刷新にとどまらず、企業向けクラウド事業の顧客基盤拡大に向けた巨額投資も併せて発表した。イベント「グーグル・クラウド・ネクスト」において、自律的に業務を遂行する「AIエージェント」の開発・管理ツールを公開。さらに、企業のAI導入やプロトタイプ開発を資金面で支援するため、7億5000万ドル(約1200億円)の基金を新設した。

半導体などのインフラ提供から、AIアプリケーションの開発環境、さらには導入のための資金支援までを包括的に提供する。ハードとソフトの両輪で「エヌビディア一強」の市場構造を切り崩す、グーグルの全方位的な戦略が一段と加速している。

 

 


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