Nintendo Switch 2にみる"転売問題" 「市場」と「正義」の狭間で
Nintendo Switch 2をめぐる混乱が、転売問題の根深さを改めて浮き彫りにしている。任天堂はメルカリ、ヤフー、楽天と協力し、フリマサイトにおける不正出品への対策を進めているが、各社の対応には温度差がある。
ヤフーは一定期間の出品停止という明確な措置を講じた。一方、メルカリやラクマは「安心・安全な取引環境の構築」を掲げながら、現時点で出品自体を禁止しておらず、実質的に静観している状況だ。
この温度差の背景には、フリマプラットフォームが抱えるビジネス構造のジレンマがある。出品数が多いほど流通は活性化し、手数料収入にも直結する。企業倫理と市場原理、そのバランスが問われている。
では、なぜ法律で転売を一律に規制しないのか。チケット不正転売禁止法のような個別法はあるものの、商品の転売全般を包括的に規制するには「流通の自由」という経済原則との衝突がある。また、規制対象が曖昧になれば、一般ユーザーの副業や個人間取引も巻き込むおそれがある。
一方で、転売が反社会勢力の資金源となっているとの指摘もある。チケットやプレミア商品、限定スニーカー、ブランド品など、一定の価値を持つ商品の転売には、組織的な仕入れ・販売ルートが関与しているケースも見られる。中には、無在庫・偽造品・架空出品といった犯罪行為も含まれ、警察も監視を強化している。
だからこそ、必要なのは「全面禁止」ではなく、高リスク商品に限定した出品制限やアラート、本人確認の厳格化、販売履歴の透明化といった“段階的・選択的”な規制だ。企業とプラットフォームが連携し、ユーザーの利便性を損なわずに悪質な転売を排除するルール作りが求められている。
市場の健全性を守るためには、法整備、業界自主規制、そして消費者のリテラシーが三位一体で進化する必要がある。






