空き家相続問題

アイコン 【群馬】空き家16万1300戸、空き家率16.7% 相続登記の経過措置期限は2027年3月末

Posted:[ 2026年10月 1日 ]

群馬県で空き家の増加が続いている。総務省の2023年住宅・土地統計調査の確報によると、県内の総住宅数は96万7,400戸、このうち空き家は16万1,300戸で過去最高となった。空き家率は16.7%で、全国平均の13.8%を上回っている。

前回2018年調査と比べると、空き家率そのものは16.7%で横ばいだったが、空き家数は15万8,300戸から3,000戸増えた。さらに中身を見ると、賃貸用や売却用、別荘などとは異なる空き家の増加が目立っている。

 

空き家数
16万1,300戸
2023年・過去最多
空き家率
16.7%
全国平均13.8%
賃貸・売却用等を除く空き家
7万3,100戸
空き家全体の45.3%
5年間の増加
+1万500戸
2018年→2023年
30年間の増加
約2.19倍
1993年→2023年

※総務省「住宅・土地統計調査」。空き家率と、管理不全・放置状態の空き家は同じ概念ではありません。



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群馬県の空き家、30年間で約2.19倍

群馬県の空き家数は1993年の7万3,800戸から2023年には16万1,300戸となり、30年間で約2.19倍に増えた。

指標 2023年 2018年との比較
総住宅数 96万7,400戸 1万8,400戸増
空き家数 16万1,300戸 3,000戸増
空き家率 16.7% 同水準
賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家 7万3,100戸 1万500戸増

特に注目されるのが、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」だ。2023年は7万3,100戸で、2018年から1万500戸増加。県内の空き家全体の45.3%を占め、総住宅数に対する割合も7.6%となった。

この区分には、転勤や入院などで長期間人が住んでいない住宅や、取り壊し予定の住宅などが含まれる。統計上の空き家すべてが放置住宅というわけではなく、空き家率16.7%と、管理上の問題を抱える住宅の割合を同一視することには注意が必要だ。

相続登記、古い相続も2027年3月末が一つの期限

空き家をめぐっては、相続不動産の登記制度も大きく変わった。2024年4月1日から相続登記が義務化され、不動産を相続したことを知った相続人は、原則として取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する必要がある。

制度開始前に発生した相続も対象で、2024年4月1日より前から相続した不動産を把握しながら登記していないケースでは、原則として2027年3月31日までに対応する必要がある。2026年10月1日時点では期限まで約半年となった。

正当な理由なく義務を怠った場合は10万円以下の過料の対象となる可能性がある。一方、遺産分割がまとまらないなど期限内の相続登記が難しい場合には、「相続人申告登記」によって基本的な申請義務を履行する仕組みも設けられている。

また、相続した土地について一定の要件を満たせば国に引き渡せる「相続土地国庫帰属制度」も2023年から始まっている。ただし、空き家そのものを国が引き取る制度ではなく、対象は土地であり、承認要件や負担金などがある。

前橋・高崎では2026年度の空き家助成が予算上限に

県内自治体も空き家の解体、改修、流通などを支援している。

前橋市では2026年度、空き家を取得して居住するためのリフォームに工事費の3分の1、基本上限50万円を補助する制度を実施。老朽空き家の解体についても工事費の3分の1、上限25万円の補助制度を設けたが、いずれも予算上限に達し、新規の事前相談受付を終了している。

高崎市は2026年度予算で「空き家緊急総合対策助成」に9,000万円を計上。空き家の管理、解体、住宅への改修、地域サロンへの転用、事務所・店舗への改修、定住促進など複数の制度を設けている。このうち解体助成や地域サロン関連、居住目的の改修、定住促進家賃助成、事務所・店舗改修などは予算額に達している。

一方、制度ごとに対象となる住宅や所有期間、空き家となっている期間、施工業者などの条件が異なる。年度途中で受付を終了する制度もあるため、利用時には各自治体で最新の受付状況を確認する必要がある。

「空き家率横ばい」の裏で変わる空き家の中身

群馬県の空き家率は2018年、2023年とも16.7%で、表面的には横ばいとなっている。しかし、空き家総数は過去最高となり、なかでも賃貸・売却用などを除く空き家は5年間で1万戸以上増加した。

県は空き家バンクのほか、住宅供給公社を通じた相談窓口や空き家管理事業者の情報提供などを実施しており、市町村でも解体、改修、移住・定住、店舗転用などの支援が行われている。

2027年3月末には相続登記義務化の経過措置期限も控える。空き家の発生原因を個別の根拠なく相続や高齢化だけに求めることはできないが、所有者が不明確なまま住宅を長期間放置しないための制度整備と、既存住宅を流通・活用する自治体施策の重要性は一段と増している。

 

 

 

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